避難所生活続く「濁流に襲われる夢見る」
鬼怒川の堤防が決壊してから1か月となった10日、大きな被害を受けた茨城県常総市では、今も多くの人が避難生活を続けている。
常総市の三坂町では、鬼怒川の堤防が200メートルにわたり決壊し、濁流が住宅地を一瞬で飲み込んだ。傾いた電柱や押し流された家屋は今もそのままの状態で、水害の爪痕がはっきりと残されている。常総市では、2人が死亡したほか、住宅50戸が全壊、3600戸以上が半壊し、今も400人余りが避難所での生活を続けている。
ある女性避難住民は「自宅に帰ることはできるが、夜になると濁流に襲われる夢を見てしまい、1人では落ち着かない」と避難所に残る理由を話した。
一方、被災地を走る関東鉄道常総線は、最後まで残っていた不通区間が10日朝、復旧した。当面は3割程度の運転本数になる。
多くの場所で影響は残るものの被災地は復興へ向けて少しずつ歩みを見せている。