熊本の製薬会社「化学及血清療法研究所」が、国の承認を受けていない方法で医薬品を製造していた問題で、化血研が組織ぐるみの隠ぺい工作を行い、国の調査をすり抜けていたことがわかった。

　この問題は、化血研が血友病の治療用の「血液製剤」の製造過程で、効率をあげるために添加物を加えるなど、国の承認を得ていない方法で製造していたもの。

　第三者委員会が発表した調査報告書によると、こうした不正は、約４０年間続き、幹部の了承のもと、うその製造記録を国に提出するなど、組織ぐるみの隠ぺい工作をしていたことがわかった。

　これらの薬で重篤な副作用は報告されていないが、化血研は、２日付で、宮本誠二理事長の辞任などの処分を発表した。

　厚生労働省は、今後、医薬品医療機器法違反で業務停止などの行政処分を行う方針。