群衆行動解析…東京マラソン警備に最新技術
史上最多の約3万7000人のランナーが駆け抜けた東京マラソン。パリの事件などでテロの脅威が高まる中での警備には、民間のさまざまな最新技術が投入された。
多くの観客が集まる東京ビッグサイトのゴール地点。上空からは2つの新たな機材が監視の目を光らせていた。一つはアメリカの企業が開発した監視用ドローン。150メートルの高度から約2キロの範囲を撮影できる。有線で接続しているため電波妨害も受けず、1000時間の連続飛行も可能だという。
もう一つがゆったりと浮かぶ飛行船。高性能の監視カメラが装備されていて、民間の警備用の飛行船は日本で初めてだという。
一方、地上の監視カメラにも新技術が導入されていた。雑踏事故などを防ぐための「群衆行動解析」という技術。開発した企業の研究所を訪れると、数十万枚の群衆の映像パターンを記憶したコンピューターが、カメラに映る人数や人の流れなどを瞬時に分析していた。
通常は青色で示されているが、混雑を危険と判断すると画面が赤く光り、将棋倒しなどの事故の危険性を知らせる仕組み。
NEC情報・メディアプロセッシング研究所の宮野博義部長「事故のリスクというのは非常に高くなる、そういった状態を早期に察知し、あらかじめ回避できるよう警備計画を変更していく。将来的には2020年に向けて、この技術をさらに使えるものにしたい」
各企業は、警視庁と合同で技術の改良を重ね、4年後の東京オリンピック・パラリンピックでの活用を目指している。