工場で膀胱がん“化学物質の可能性高い”
福井市の化学工場で従業員ら6人が膀胱がんを発症した問題で、厚生労働省は「オルト-トルイジンという化学物質が原因の可能性が非常に高い」という調査結果を発表した。
厚労省が労働安全衛生総合研究所に依頼した調査によると、発がん性がある「オルト-トルイジン」という液体から作った物質を乾燥させる作業をした後に、従業員の尿から、特に高い値のオルト-トルイジンが検出されたという。作業中にオルト-トルイジンを吸いこんだり、皮膚に付着したりして体内に吸収されたとみられるという。
この調査結果を受けて、厚生労働省は、「膀胱がんの発症原因がオルト-トルイジンである可能性が非常に高い」と結論付けた上で、単体だけでなく、他の化学物質と一緒に扱った際の発がん性も調べるとした。今後は、労災申請が個別に審議される。