トリチウム処分方法 海放出が最もコスト安
福島第一原発の汚染水に含まれる放射性トリチウムの処分方法を検討している経済産業省の有識者会合は、海に放出する方法が最もコストがかからないとする試算結果をまとめた。
福島第一原発で発生する汚染水はALPS(アルプス)と呼ばれる浄化装置で62種類の放射性物質を取り除くことができるが、トリチウムだけは取り除くことができず、60万トンを超える量が敷地内のタンクにためられ、今も増え続けている。
19日に開かれた経済産業省の有識者会合では、海への放出や、地下に埋める、水蒸気にして大気に放出するなど、5つの処分方法を検討し、コストや処分期間を比較した試算をまとめた。
その結果、基準値以下に薄めて海へ放出する方法が約34億円で、地下に埋める方法の約2500億円などと比べ最もコストが抑えられることがわかった。
トリチウムが含まれた汚染水について、原子力規制委員会の田中委員長は、「薄めて海に放出すべき」と主張しているが、風評被害を懸念する地元の漁業者などは反対している。
処分方法については今後、さらに議論を重ねることにしている。