なぜ調査進まない?建物「応急危険度判定」
熊本地震から8日がたち、熊本市ではボランティアセンターが開設されるなど復旧の動きも徐々に始まっている。ここで重要となるのが「応急危険度判定」だ。
応急危険度判定とは市町村などが被災した建物が安全かどうか判定するもので、紙を貼って呼びかける。
赤色「倒壊の危険性があり、立ち入りが危険な建物」
黄色「ヘルメットをするなど注意して入る必要がある建物」
緑色「被害が少なく、使用が可能と判定された建物」
危険度によって「赤色 危険」「黄色 要注意」「緑色 調査済(使用可能)」の3種類に分けられる。
20日時点で調査を終えた建物のうち、益城町と熊本市で「危険」と判定された割合は約53%、「要注意」が約28%、「可能」が約19%だった。
こうした調査は、地震の発生から10日以内に終わらせるのが目安とされているが、熊本県によると、熊本市と益城町以外の4自治体(菊陽町、西原村、御船町、宇土市)は22日に始めたばかりだ。
さらに、着手できていない自治体もあって、理由としては阿蘇市や嘉島町では判定士の数が足りず、県に派遣を要請したところ、「被害が大きいところが優先」として、現在待っている状態だという。そして、南阿蘇村は、余震が心配で判定士がケガをするおそれがあるため、着手できないという。
判定が進まないと、片付けにも影響する。住人が建物の中に入って片付けていいかわからないし、判定されていない建物ではボランティアも片付けができない状況もある。他県から判定士の応援を頼むなど、早急な対応が求められる。