“天敵”はヤギ 全国で相次ぐ野生のサル被害 放牧で激減
『畑を荒らしたり、人を襲ったりするなど、野生のサルの被害が全国で相次いでいます。そんな中、長野県小谷村ではヤギを放牧したところ、被害が激減したといいます。
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9日、数匹のサルが広島県東広島市の家庭菜園に現れました。畑には背の高い柵がついていますが、押し倒して侵入しました。1匹が侵入に成功すると、それに続けとばかりに、サルが次々と畑へ。防犯カメラには、野菜を食い散らかすサルも映っていました。10匹以上が侵入したといいます。
サルに畑を荒らされた 高橋勇治さん
「ネット(柵)を侵入されて、中の残ってた野菜を全部食べられたというかたちです。昨年からサルの軍団が押し寄せてきまして」
今年だけでも、10回以上サルから被害を受けているといいます。
サルに畑を荒らされた 高橋勇治さん
「やっぱりサルは賢いものですからね。収穫しようと考えた矢先に、お猿さんの方が先に収穫してしまうという。その繰り返しですね」
こうした被害は、周辺の畑にも発生しています。
サルに畑を荒らされた人
「24匹ぐらいまでは、数えたんだけどね。ここにあった隣のカボチャをね。(サルが)カボチャを抱えて、逃げるわけよ」
また、サル対策として、畑に柵を設置していますが、隙間からすり抜けられてしまうということです。
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山口県では先月、民家にサルが侵入したり、人が襲われたりなど、各地でサル被害が相次いでいます。
長野県小谷村でもサルに悩まされてきましたが、意外な方法で被害が激減したといいます。その方法は、なんとヤギです。
伊折農業生産組合 坂井昭十さん
「このヤギだよね」
これまでは畑の作物を半分以上荒らされる事もありましたが、ヤギを放牧すると、その被害がほぼゼロになりました。
伊折農業生産組合 坂井昭十さん
「5~6年になるけど、その後サルは全然出てないね」
本来、サルから畑を守るには、今の倍以上となる高さの電気が流れる柵が必要だといいますが、この地域は人手やコストの面で断念していました。そこで、「ヤギがサル対策になる」という情報を元に、ヤギを導入したといいます。
伊折農業生産組合 坂井昭十さん
「本か何か、雑誌か何かで見てね。それで導入したんじゃない」
その研究をした滋賀県農業技術振興センターによると、山と畑の間にヤギを飼うと、サルが隠れ家にする雑草を食べてくれます。見通しがよくなると、警戒心の強いサルは畑に近づかなくなるということです。
さらに、ヤギの性格もサル撃退に一役買っています。滋賀県農業技術振興センターによると、ヤギは好奇心が強く、サルを見つけると、見つめて近寄ります。その行動を警戒して、サルは逃げていくということです。
ただ、放牧できない冬の期間や、村でもヤギを導入していない地域では、まだ被害が出ているということです。