名だたる文豪に愛された東京・神田駿河台の「山の上ホテル」について、明治大学は15日、土地と建物を取得したと発表しました。老朽化のため、今年2月から休館していましたが、外観を残したまま改修工事を行い、ホテル事業を継続する方針だといいます。

■建築から87年　川端･池波･三島…文豪たちの“定宿”

川端康成や池波正太郎などが定宿としたことで知られる「山の上ホテル」。

三島由紀夫が宿泊した際にしたためた手紙には「東京の真中にかういう静かな宿があるとは思わなかった。設備も清潔を極め、サービスもまだ少し素人っぽい処が実にいい。ねがはくは、ここが有名になりすぎたり、はやりすぎたりしませんやうに」とも書かれていました。

1937年に建てられ、1954年にホテルとして開業。今年2月から、老朽化への対応を検討するためとして休館していました。

■再開時期など未定　「名称含めて検討」

明治大学は今回、2031年に迎える“創立150周年”の記念事業の一環として、再整備を実施して、ホテルの営業再開のほか、学生や留学生が共同で使う国際寮などとしての活用も検討するといいます。

明治大学広報課によると、ホテルの再開時期などの詳細は未定で、「名称なども含めて、これから検討したい」ということです。

一流の職人があげる天ぷらや、プリンアラモードなど、食でも多くのファンを魅了してきた「山の上ホテル」。「歴史と伝統を継承いただき、更に発展していくことを願っております」とコメントしています。