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派遣労働者の高齢化問題、解決策はあるか?

2018年10月19日 15:28
派遣労働者の高齢化問題、解決策はあるか?

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「派遣労働者 高齢化進む」。日本テレビ報道局の大野伸プロデューサーに聞いた。

厚生労働省の調査によると、去年10月時点で、40歳から44歳の派遣労働者が最も多く、全体の16.5%。前回調査では、35歳から39歳が全体の2割を占めていて、派遣労働者の高齢化が進む実態が明らかになった。また、今後の働き方については、約4割が「正社員を希望する」と回答している。

ネット上では「40~44歳は就職氷河期時代」「非正規なのを、自己責任と言うのは酷」との声の一方、「えり好みしなければ、正社員で働ける」との声がある。

――この調査結果はいかがでしょう。

この非常に厳しい状況を打破するために『中年人材の競争力向上を!』ということが必要だと思っています。というのも私も実はまさしくこの世代なんですね。超就職氷河期と呼ばれる時代で、この時代はそもそも企業が求人を募集していなかったりもしました。どこにも内定できなかった学生というのは、新卒で派遣社員になるという状況も生まれた年代なんです。

先ほどの意見のように「今は景気がいいから職を選ばなきゃいいじゃないか」という声もあったんですが、実際にこの世代の声を聞いてみると、今、実は40代で求められているのは管理職の候補者であったり、何かのスペシャリストであったりするわけです。また正社員での求人があっても、実際には長時間労働や、低賃金というところも多く、非常に派遣社員にとって厳しい状況というのが現実だと思うんです。

――どうやって打開できるんでしょうか。

この状況に中年の派遣社員が立ち向かうためのヒントというのは、ダボス会議を主催しているシンクタンクの世界経済フォーラムが出した「国際競争力ランキング」というものが参考になると思います。

日本の国際競争力というのは、全体では5位と上位にあるんですが、ところがその内訳を見ると、労働市場の多様性というのでは18位、起業などを含むビジネスのダイナミズムでは14位にとどまっているんです。

つまり、新しい挑戦というのが、日本は社会全体でしにくいと、だから派遣社員が固定化されたままなんだということが言えると思うんです。この状況を打破するためには、まず中年が起業をたくさんしたり、しやすい状況をつくり、それによって人材が動くという状況をつくり、正社員でないから受けられなかった派遣社員の職業教育の機会、そういうものを増やしていく。

中年派遣社員をこのまま放っておけば、高齢派遣社員になってしまい、不安な老後を迎えますから、その状況をいま新しい取り組みで、きちんと防いでいかなければならないと思っています。


■大野伸(45)プロフィル
日本テレビの報道番組「Oha!4 NEWS LIVE」のプロデューサー。経済部の財務省担当時代は、G7などの国際経済会議などを多数取材。大学や研究機関で、メディア論の講師なども務めてきた。現在は朝4時から起きている人に向けて、1日を元気にする二ュースを送り出している。

【the SOCIAL opinionsより】

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