ベランダに巣作りで…ハト“フン”被害が増加 対策業者に密着
ハトがベランダに巣を作るなどの相談が増加しています。ハト対策業者を密着取材すると、相談が増加した思わぬ理由がありました。
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6日、埼玉・川口市の繁華街では、看板の上にたくさんのハトが並んでいました。餌をくれると思ったのか、食べ物をもった男性に15羽ほどのハトが群がりました。また、椅子に座る女性にも群がっています。
「驚いた。頭の方に飛んできた気がするのよね」
「一番困るのは、布団干していたら、その布団にフンしたり」
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繁殖期を迎えたハト。日本鳩対策センターによると、実は、コロナ禍の2020年、ハトの被害に関する相談件数が増加したというのです。
奈良・御所市で撮影されたのは、ベランダに止まったハトを追い返そうと、吠えるペットの犬です。しかし、ハトは、動じる様子はありませんでした。
神奈川・横浜市で撮影されたのは、ベランダの植木鉢の裏に巣を作って棲み着いたハトです。また、東京・杉並区では、室外機の裏にも…。
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ハト対策を行う会社によると、ハトの被害レベルは4段階に分かれます。
レベル1は移動中の「休憩」。
レベル2の「待機」になるとフンの量も増え、洗濯物に汚れも。
レベル3は「ねぐら」。室外機の裏などに長時間いるため、被害は騒音や大量のフンなどへと発展します。
そして、レベル4は「巣作り」。ねぐらとなった段階で対策を取らないと、巣を作り繁殖を繰り返すため、棲み着いてしまうのです。
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6日、ハト対策の業者に同行させてもらいました。
クリーン計画プロープル 引田徹施工部長
「これ全部ハトのフンです」
ベランダの至る所に、フンのあとが残っていました。さらに、作りかけの巣もありました。
クリーン計画プロープル 引田徹施工部長
「室外機の下で、今、枝を運んでいる状態。これから(巣を)作るところです」
この部屋の持ち主は、引っ越しを決めた後、ベランダに巣を発見しました。一度、撤去しましたが、また、ベランダにハトがいたため、業者に対策を依頼したといいます。
ハトは帰巣本能があるため、巣への執着が強く、取材中も、何度もベランダに姿を現しました。
新居でハトの巣発見 会社員(30代)
「ハトが元々すごく苦手なので、(姿を見たときは)もうすごいぎょっとしたっていうか、心臓が止まるかと思いました」
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この業者には、1か月で例年の倍となる200件ほどの依頼が入ったということです。理由は巣作りが増えたのではなく、コロナ禍の影響で家で過ごす時間が伸び、巣の存在に気がつく人が増えたためだとみられるということです。
ハトは野生鳥獣として保護されているため、許可なく捕獲したり、卵やヒナがいる巣を撤去したりすることが鳥獣保護管理法で禁止されていて、自治体に許可をとり、業者などに依頼する必要があります。
ハトが棲み着かないよう、早めに対策を打つことが重要で、作りかけの巣はこまめに撤去し、侵入防止ネットを隙間なく張ることも効果的だといいます。
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ハトのフンについても、注意が必要です。
引田徹施工部長
「乾燥している場合はチリ状になって、口の中に入ってしまうと、肺炎になる可能性があるので」
洗剤でふやかしてから、こすり取ることが大切だということです。