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「日本版DBS」来週にも審議 子どもの“性被害”防止を…被害女性が証言「少しでも被害がなくなるように…」

2024年5月3日 6:22
「日本版DBS」来週にも審議 子どもの“性被害”防止を…被害女性が証言「少しでも被害がなくなるように…」

子どもを性被害から守るための新たな法案について、国会で議論が始まります。それを前に、中学時代の教師から性被害を受けたという女性が、いまの思いを明かしました。

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2日、東京・霞が関の「こども家庭庁」を訪れたのは、石田郁子さんです。

石田郁子さん(46)
「日本版DBSについての要望書を出しに。課題がいくつかあるので、それをお伝えしたい」

来週にも、国会で「日本版DBS」法案の審議が始まります。

「日本版DBS」は、子どもに接する仕事に就く人に「性犯罪歴」がないか、学校や保育所などに確認を義務づける制度で、性犯罪の前科がある場合、10年または20年の間、子どもと接する業務につけなくなります。

石田郁子さん(46)
「少しでも、そういう(性)被害がなくなるようになってほしい」

実は、石田さんも、性被害の当事者です。最初に被害にあったのは、中学卒業間近だった15歳のときでした。

加害者は、美術教師の男性。教師は石田さんを美術館に誘い、たまたま腹痛に襲われた石田さんを、教師の自宅に連れて行ったといいます。

すると──

男性教師から性被害 石田郁子さん(46)
「『実は好きだったんだ』と言われて。その後、キスされて…というのが、最初の被害です」

“激しい恐怖”からか、感情がなくなり、それが被害だと認識できない状態に。

男性教師から性被害 石田郁子さん(46)
「車の中で上半身の服を脱がされたりとか、性行為とか、いろいろあって…」

「学校の先生が悪いことをするって発想もなかったので。向こうの言われるままに、ちょっと従っていたようなところがあって」

4年あまり続いた被害……。教師が加害者の場合、“支配されたような状態”で、被害だと気がつかないことも多いといいます。

“性被害だったかもしれない”と気づいたのは、自身の状況と似た事件の裁判をたまたま傍聴した、37歳のときでした。

その後、PTSDの診断を受けた石田さんは、民事訴訟を起こし、損害賠償請求は棄却されましたが、被害の内容は事実と認定されました。

判決を受け、2021年、この教師は免職処分になりました。

2日午後、要望書を提出した後、石田さんは…

男性教師から性被害 石田郁子さん(46)
「日本版DBSの法案では、(教師が学校に戻れなくても)塾とか家庭教師は、また仕組みが違うので、こちらにはいけてしまうんですね」

“性加害を行った教師が、塾などに再就職してしまうことを防ぐ仕組みが必要”、などと訴えています。


(5月2日放送『news zero』より)

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