銃撃男の母と“統一教会” 教団が会見「破綻されたことは知っている」――「合同結婚式」「霊感商法」社会問題化…被害救済の弁護士「今も深刻」
安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者の母親が信者という“統一教会”が11日、会見を開きました。母親が正会員で行事に参加していることを認めた一方、高額献金については明らかにしませんでした。これまでも霊感商法などが社会問題化してきた教団の姿とは?
■教団「高額献金の方々、かつても」
宗教団体「世界平和統一家庭連合」、いわゆる“統一教会”の田中富広会長らが11日、会見を開きました。
田中会長は、「山上徹也容疑者は当法人の信者ではございません」「容疑者の母親は当法人の教会員であり、これまでも1か月に1回程度の頻度で、教会の行事に参加してまいりました」「会員区分は私たちの教会の正会員になっております」と明かしました。
山上容疑者については「母親が(教団と)関わり始めたのが1990年代後半になります。そうすると徹也容疑者は10代後半ということになります。そのころに一緒に学びに来て、学んでいた可能性がないとは言えません」と説明しました。
山上容疑者が「家庭生活がめちゃくちゃになった」と供述で主張している、母親による多額の寄付。田中会長は「献金問題に関しましては、現在警察が捜査中であると思われますので、この場での言及は避けさせていただきます」とのみ答えました。
――一般論として、信者に対して多額の寄付を強いることは?
「ご本人の意思で献金されていきますが、献金の額それぞれは、ご本人の信条に基づいて献金されています」
――1人で何千万の高額の献金ということも?
「高額で献金されてきた方々はかつてもいらっしゃいます」「私たちも感謝して、その志を受け止めております」
■母親の破産は…会長「知っている」
1990年代後半に信者となり、2002年に破産していたという山上容疑者の母親。その後、教団からしばらく離れていたものの、2~3年前から親交を深めた教団関係者と連絡を取るようになりました。そして半年ほど前から、月に1度の行事に来ているといいます。
――行事に参加すると献金は求められる?
「多くの行事企画で献金要請されることはありません。したがって、この(山上容疑者の)お母さんが、もし警察の調査で『明確に高額献金だった』となった場合も、おそらく1990年代後半あたりの献金ではないかと」
「ただ、(山上容疑者の母親が)破綻されていたことは知っています。その後、このご家庭に高額献金を要求したかどうかという事実は、記録上一切残っておりません」
――より救いを求めるのであれば献金をより一層しろ、のような指導や教えは?
「献金に関して、どれくらいやったらどれくらい救われる、こういう教えはありません」「破綻している家庭に対してさらに献金を追いやるというような指導はありませんので、私はないと信じております」