最高裁 入れ墨は“医師免許必要ない”判断
客に入れ墨を施す際に医師免許が必要かどうかが争われた裁判で、最高裁は入れ墨を施す行為は「医療行為にはあたらない」とし、医師免許は必要ないとする判断を示しました。
この裁判は、大阪府の男性が、医師免許がないのに客に入れ墨を施したとして医師法違反の罪に問われたものです。
一審では、入れ墨の適切な処置には医学的知識が必要だとして、罰金15万円の有罪判決を言い渡していましたが、二審では「入れ墨を施す行為は医療行為にはあたらない」として一審判決を取り消し、逆転無罪を言い渡していました。
これに対し検察側は上告していましたが、最高裁は17日までに上告を退ける決定をしました。最高裁は決定の中で、「医療行為とは医療及び保健指導に属する行為のうち、医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為をいうと解するのが相当である」と指摘。
入れ墨を施す行為は、「社会通念に照らして、医療及び保健指導に属する行為であるとは認め難く医療行為にはあたらない」として、医師免許は必要ないとした高裁の無罪判決を支持しました。
ただ、入れ墨を施す行為の危険性については医師法では対処できないとしたため、安全を確保するために立法や行政などによるなんらかの対応が求められるという課題を残したといえます。