“緊張感”も…初のワクチン接種現場に密着
新型コロナウイルスワクチンの先行接種は18日も各地で行われています。初めて取り扱うワクチンに、現場では緊張感も…。接種の様子に密着しました。
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18日朝、神奈川県の相模原病院。薬剤部長が冷凍庫から取り出したのは、ファイザーのワクチン。箱から2本の瓶を別の容器に移します。
国立病院機構 相模原病院・瀬川誠副薬剤部長「いまからこのバイアル(容器)を冷蔵庫の方に保管します」
この病院では18日、院長など12人にワクチンの先行接種を開始。1本の瓶から6回分採取できるため、2本用意したといいます。
ファイザーのワクチンはマイナス75度で保管する必要がありますが、使用する際、4度前後に設定された冷蔵庫に3時間ほど置いて解凍します。午後0時半ごろ。冷蔵庫からワクチン入りの瓶を取り出します。ワクチンに生理食塩水を入れた上で、瓶を何度も逆さにして液体を均一に薄めていきます。用意したのは、6回採取できる注射器。薬液を無駄にしないよう慎重に採取していきます。
1人あたりの接種量は、0.3ミリリットル。1瓶から6回分、1本1本吸い出していきます。生理食塩水で薄められたワクチンの量は、2.25ミリリットル。6回分採取する場合、1回あたりわずか0.075ミリリットルしか無駄にできないのです。最後の1回分では、なんとか6回分採取できました。
相模原病院 医薬品情報管理主任・根本隆一郎さん「ちょっと緊張はしたんですけど」「1本あたりの余分量が少ないと考えるのでしっかりと目盛り合わせを気をつけていました」
そして、接種予定12人分の注射器が会場で準備されていきます。午後2時。院長から接種が始まりました。
医師「失礼します。指先にしびれないですか」
院長「ないです」
およそ20分で、混乱なく接種初日を終えました。
国立病院機構 相模原病院・金田悟郎院長「やっとこれで第一歩。新しい生活の第一歩なのかなと感じています」
この病院では、副反応が起きることに備えて、接種を受ける職員の部署を分散させてスケジュールを組んでいるということです。