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第一三共 年内にもワクチン最終臨床試験へ

2021年7月17日 1:53

国内製薬会社・第一三共が、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、年内にも、数千人規模の最終臨床試験を行うことがわかりました。厚生労働省が、ワクチンの迅速な承認に向け、条件を緩和する見通しです。

第一三共は、開発中の新型コロナウイルスの「メッセンジャーRNAワクチン」について、現在、第一相と第二相の臨床試験を行っていますが、年内にも最終の臨床試験を行うということです。

最終の臨床試験は国内外で数千人規模で行い、接種後の抗体価などを、すでに承認されている同じ「メッセンジャーRNAワクチン」のファイザー製やモデルナ製のワクチンと比較する方法で有効性を確認し、そのデータで承認を申請するということです。

厚労省は、これまで最終の臨床試験としては、数万人規模で、開発中のワクチンを打った人と偽のワクチン(生理食塩水)を打った人で効果を比較することなどをワクチン承認の条件としてきました。しかし、すでに外国製の複数のワクチンが使われている現状で、効き目がないとわかっている生理食塩水を接種してもらう形で大規模な臨床試験を行うのは難しく、そうした中で、国産ワクチンを迅速に承認するため、ワクチンの治験の条件を緩和する形になります。

今後、同様に国産ワクチンの開発を進めている塩野義製薬なども、同様の方法での治験で承認を目指すものとみられます。