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防災データなど反映 東京の街3Dモデルに

2021年8月5日 20:52
防災データなど反映 東京の街3Dモデルに

東京都は、建物や道路など、東京の街を再現した3D都市モデルに、防災やまちづくりなどに関するデータを反映した「デジタルツイン3Dビューア」を公開しました。今後、実証実験を重ね、災害のシミュレーションや街づくりなどへの活用を目指します。

■デジタル空間にもうひとつの「東京」を再現

東京都は、デジタル技術を活用して様々な社会課題の解決を目指す「スマート東京実施戦略」を進めています。その事業のひとつとして、7月29日に公開されたのが「デジタルツイン3Dビューア」。デジタル空間に再現された東京の街に、都や国交省などが所有する防災や街づくりなどの様々なデータが、3Dモデルとなって表示されています。

データは、色分けされたりアイコンを使ったりして表示され、重ねて同時に表示させることが可能です。実装されるデータは、防災や街づくりのほか、これから活用が期待される、モビリティ、教育、エネルギー、産業など九つの分野が対象になっていて、今後、都が所有するデータを中心に、順次追加していく予定だということです。

8月5日現在、「洪水浸水予想区域」や「地震に関する地域危険度測定調査」などの防災に関するデータのほか、運行する都営バスの位置情報や、河川のライブ映像をリアルタイムで見ることができます。

■防災や街づくりに活用…2030年の社会実装目指す

東京都によると、これまでに個別に扱われてきたデータを、3Dモデル上で重ね合わせて可視化することにより、これまでにできなかった分析や、シミュレーションができるようになるといいます。例えば災害の場合、避難場所や人流などのデータに、道幅や傾斜などの道路環境の情報などを加えて、効率的な避難経路のシミュレーションを行うことがでるようになります。

また街づくりにおいては、新たな建物を建設した場合、日陰のでき方や風向きの変化など、周辺に及ぼす影響について事前にシミュレーションができるなど、様々な分野での活用が期待されています。
東京都は2030年の社会実装を目指していて、地下空間を含めたリアルタイムでの人流の可視化や、水道管などの地下埋設物の3D化といった実証実験を、今年度中に行う予定です。

写真:東京都提供