“手足口病拡大”患者数「警報」レベルの約3倍 大人も感染リスク…重症化も 対策は?
11日に更新された「手足口病」の流行マップでは、東京都のほぼ全部が最高レベルの真っ赤に染まっていて、都内全域に「警報」が出されていることがわかります。「手足口病」について解説します。
藤井貴彦キャスター
「11日に更新された『手足口病』の流行マップでは、東京都のほぼ全部が最高レベルの真っ赤に染まっていて、都内全域に『警報』が出されていることがわかります。東京都でこのような警報が発表されたのは、2年ぶりということです」
「手足口病とは、夏に流行する感染症で、このように名前の通り、手や足、口の中に水泡状の発疹(ほっしん)などがあらわれ、発熱することもあるんです。飛沫や接触などで感染し、ほとんどの人は数日で症状は治まるんですが、特別な治療法はないということなんです」
小栗解説委員長
「そしてグラフご覧ください」
藤井貴彦キャスター
「爆発的に増えているんですね」
小栗解説委員長
「そうなんです。都内の定点医療機関で報告された患者数なんですが、1医療機関あたり1週間でおよそ14人となっています。実は5人で『警報』が出されるレベルということなので、およそ3倍になっているという状況なんです。青いグラフの去年と比べても、ものすごい勢いで感染が拡大しているということがわかります」
「また、感染は都内だけでなく、全国で広がっていて、全国で報告された患者は、1医療機関あたり8.45人。14週連続で増加しているということなんです(国立感染症研究所6月24~30日)」
藤井貴彦キャスター
「清水さん、こんなに流行しているって知ってました?」
空手家 五輪銀メダリスト 清水希容さん(『news zero』木曜パートナー)
「私は、小さい子どもを指導することもあるので、毎年この時期になると、母から手足口病流行るから気をつけて、と言われるんですけど、今年はこんなに流行ってるとは思いませんでした」
藤井貴彦キャスター
「大人も注意が必要なんですね?」
小栗解説委員長
「はい、KARADA内科クリニックの佐藤昭裕院長によりますと、子どもから感染して、親が重症化するケースもあるそうなんです。また、大人から大人に飛まつなどで感染するということなので、注意が必要です」
藤井貴彦キャスター
「なぜ今年はこんなに流行しているのか、背景はあるんですか?」
小栗解説委員長
「佐藤院長によりますと、コロナの時期は行動制限があったり、マスクをしていたりしていて、手足口病の感染者が少なかったので、抗体ができていないこと。それから、コロナが流行した時期に比べて、感染症対策が徹底されなくなったことが要因ではないかと話しています。ひと夏に複数回かかる人もいるということなので、一度かかったからといって油断はできません」
藤井貴彦キャスター
「ただ、かからないようにするには、どうしたらいいんでしょうか?」
小栗解説委員長
「基本的なことになりますけれども、マスク・手洗いの徹底です。それから、手足口病のウイルスはアルコールで完全に消すことはできないということなので、石鹸でしっかりと洗い流すようにしてください。また、症状が消えてからも2週間ほどは便の中にウイルスが残っているので、子どものおむつをかえるときには、手袋をしっかりすること。それから、替え終わったら手を洗うことも大切だということです」
藤井貴彦キャスター
「清水さんは、多くの人に会うこともあると思いますが、感染症の対策は何かしていますか?」
空手家 五輪銀メダリスト 清水希容さん(『news zero』木曜パートナー)
「空手は素足で行うことが多いので、その中で、靴で(歩いたところを)素足で(歩くこと)というふうな場合があるので、そうなってしまうと感染リスクが高くなってしまいます。なので、普段から石鹸で洗うようにしていて、やっぱり手洗いうがいは大事なんだなと感じました」
(7月11日放送『news zero』より)