【速報】2022年の東北新幹線脱線事故「車輪浮き上がってレール乗り越えた」技術開発も求める 国の運輸安全委員会報告書
2022年、福島県沖を震源とする地震で東北新幹線が脱線した事故で、国の運輸安全委員会は、地震動で車体が大きく揺れたことで脱線に至ったとし、JR東日本などに対し、震動抑制の技術開発などを進めるように求めました。
この事故は2022年3月、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生し、東北新幹線の「やまびこ223号」が宮城県の白石蔵王駅近くで脱線し、乗客6人が軽傷を負ったものです。
事故原因を調査していた運輸安全委員会が公表した報告書では、地震の強い揺れで車体が大きく揺れたことで車輪が浮き上がり、レールを乗り越えて脱線に至ったと考えられるとしています。
事故では17両中16両が脱線しましたが、震度6強の地震の2分前に発生した別の地震の影響でこの列車が停止していたことや、多くの逸脱防止ガイドなどが機能したため、横転などの大事故が防げたということです。
しかし、先頭車両も脱線して輪軸が逸脱していたことから、走行中であれば被害が拡大していた可能性があると分析しています。
JR東日本は逸脱防止装置の改良や車体の揺れを抑える機器の導入の検討に入るなどしていますが、運輸安全委員会は、地震による脱線は完全には防げないとしながらも「安全性の確保は最大限行われるべき」とし、JR東日本などに対し、さらなる対策の検討や技術開発などを進めるよう求めています。