【解説】避難所の「感染症に注意」 深刻な水不足…手洗えず・トイレ使えず 対策は?
避難所での生活が続く中で、感染症が広がるリスクが高まっています。
避難所では実際、インフルエンザなどが少しずつ広がっていて、衛生面の環境を整えることが大切な状況となっています。
現在、被災地では、断水などで“深刻な水不足”に悩まされていますが、水がない場合、そしてトイレが使えない場合、どう対策すればよいのでしょうか。
まずは、水がない場合。
感染対策として重要なのは「手洗い」ですが…。
東京感染症対策センター所長で東北医科薬科大の賀来特任教授によりますと、流水で洗うことが難しい場合は、アルコール消毒液を多めに手に取ったあと、紙で拭き取る。または、ティッシュに少し水をつけて拭き取るだけでも感染リスクを下げる効果はあるといいます。
続いて、断水などの影響でトイレが使えず、困っている方も多いと思います。そうした場合は、自分で「簡易トイレ」を作ることもできます。
段ボールとポリ袋、新聞紙を用意し、段ボール箱の内側にポリ袋を二重にかぶせ、中にちぎった新聞紙を入れます。これで、簡易トイレができます。段ボールの代わりに、バケツでも大丈夫です。そして使用後は、内側のポリ袋をしばって、所定の場所に捨てるということです。この際、しっかりと結ぶようにしてください。
また、断水で使えなくなったトイレでも、同じようにすることで「簡易トイレ」として使うこともできます。
そして、ウイルスを他の人にうつさないことも大切です。嘔吐・下痢・発熱などの症状がある時は、すぐに職員の人に伝えてください。
また、病気にかかった人は隔離するのが望ましいですが、場所によっては難しい場合もあるかと思います。そうした場合は、2mほど離れたところに過ごす場所をつくるとよい、ということです。
最後に、賀来教授は、「集団生活の中で、体調不良になっても我慢する人が多いので、周りが異変に気づいて、声をかけてあげることが大切だ」と話していました。
5日目の夜となり、疲れやストレスもたまってきていると思います。時には、我慢をせずSOSを出すことも必要です。周りの人を頼ってください。
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そして――
24時間テレビチャリティー委員会は、能登半島地震の甚大な被害に鑑み、石川県に1000万円、福井県・富山県・新潟県にそれぞれ500万円の義援金の拠出を決定しました。
また、被災地への寄付は石川県や日本赤十字社、ジャパン・プラットフォームなどで受け付けています。詳しくは、各団体のホームページをご覧ください。
(1月5日放送『news zero』より)