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“断水”静岡市への「自衛隊要請」遅れた理由……小学生も心配の“不仲”影響? SNS投稿「国葬のせいで…」は誤り

2022年9月30日 11:15
“断水”静岡市への「自衛隊要請」遅れた理由……小学生も心配の“不仲”影響? SNS投稿「国葬のせいで…」は誤り

台風15号の大雨により静岡市内で断水している問題で、「安倍晋三元首相の国葬のため自衛隊派遣が遅れた」といったSNSの投稿がありました。ファクトチェックでは「誤り」と判明しましたが、静岡県知事と市長の連携不足が背景にあると指摘されています。

■「国葬で自衛隊派遣に遅れ」は誤り

有働由美子キャスター
「断水が続く静岡市への自衛隊の災害派遣をめぐり、SNS上では『国葬のせいで自衛隊派遣遅くなるとかありえない!』『静岡の自衛隊派遣まだ? 国葬で止められている?』といった投稿がありました」

「事実かどうか検証するファクトチェックをした結果、『正確』から『虚偽』までの7段階で『誤り』でした」

■前鳥取知事「声をかけてもよかった」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「国葬のせいで自衛隊派遣が遅れたというのは誤りで、別の問題が指摘されています。静岡県と静岡市の連携不足です」

「原則として、市町村長は知事に派遣要請ができ、知事は国に要請できる仕組みですが、今回、記録的な大雨による被害が判明してから要請まで2日かかっています」

「川勝知事は『市や町から要請が上がってこず、じりじりと待っていた』。一方、田辺市長は『支援要請の具体的な中身を固めなければいけなかった』と、それぞれ説明しています」

有働キャスター
「県は『待っていた』、市は『中身を詰めていた』。結果、遅れたということですね」

小栗委員
「そうです。ただ、かつて鳥取県知事を務めた片山善博さんは『自分は知事時代、地震があった時に、県の職員を派遣しましょうか、など頼みやすいように市町村に連絡した。県から市に声をかけてもよかったのでは』と指摘しています」

■廣瀬さん「住民ファーストではない」

有働キャスター
「やはり連携不足という面があったのでしょうね」

小栗委員
「そしてさらに、川勝知事と田辺市長は以前から仲が悪いことが有名で、3年前に知事のもとに届いた小学3年生の女児からの手紙で『ニコニコで、けんかせずがんばって下さい』と2人の仲を心配されたほどでした」

有働キャスター
「小学生からも、ということですが…」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「ちょっと情けないなと思いました。危機の時こそ、市長が得られた情報の中で迅速に決断すべきですし、新たに大変な現場が分かれば追加で要請すればよかったのではないかなと思います」

「一方で知事も待つのではなくて、自ら行動すべきでした。双方住民ファーストになっていないなと思いました」

有働キャスター
「静岡県民、市民の皆さんからしたら、たまったものではありませんよね。いまだ3万世帯以上で飲み水が使えない状態ですが、命を預かる大人同士、せめて災害の時ぐらい、けんかせず頑張ってください」

(9月29日『news zero』より)