空港業務の人手不足問題 賃上げやカスハラ対策など推進へ
ここ最近の急激な航空需要の回復で空港業務の人手不足が深刻化する中、対策を議論してきた国土交通省の有識者検討会で、賃上げや乗客によるハラスメント対策の推進などを盛り込んだ中間とりまとめ案が示されました。
航空機が空港に到着してから出発するまでに、乗客の案内や貨物の搭載、航空機の誘導などの地上業務を行う「グランドハンドリング」や、保安検査を行う職員は、新型コロナの影響による航空需要の低迷によって離職する人が相次ぎました。また、平均年収はグラハンが、およそ357万円、保安検査員は、およそ374万円と他の業種に比べて低い水準にあることなどから、人材不足が深刻となっています。
対策を議論してきた国土交通省の有識者検討会で示された中間とりまとめ案では、今年秋ごろまでに、賃上げを含む処遇改善やカスタマーハラスメント対策の推進、今年度末までにスマートレーンの導入や、外国人人材の積極的な活用などを取り組むべき事例としてあげました。こうした課題に一丸となって取り組むため、グラハンの業界団体が8月にも設立されるということです。
インバウンドを推進する中、空港機能を維持するうえで重要な役割を果たす人材を待遇改善や先進技術の導入などにより、安定的に確保することが急務となっています。