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【独自】ネット上に潜む“偽浄水カートリッジ”流通の裏側 販売業者を直撃取材…見え隠れする「中国」

2023年2月9日 22:36
【独自】ネット上に潜む“偽浄水カートリッジ”流通の裏側 販売業者を直撃取材…見え隠れする「中国」

蛇口などに取りつける「浄水カートリッジ」の偽物が、大手ショッピングサイトなどで流通していることが分かりました。見た目で見分けるのは困難な偽物ですが、検査したところ塩素の除去が不十分だったり、異なる材質が使われていたり…。私たちは販売業者を直撃取材し、“偽浄水カートリッジ”流通の裏側を追いました。その背後に見え隠れするのは、「中国」の存在です。

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「浄水カートリッジ」は蛇口などに取り付けて使用し、塩素や不純物などを取り除くものです。ところが、消費者庁は1日、浄水カートリッジの模倣品が販売されていたと明らかにしました。

私たちは大手ショッピングサイトで安く売られていた商品を購入し、独自に検査を行いました。すると、正規品とは異なる結果に…。購入した“浄水カートリッジ”は、偽物だったのです。

販売した業者を直撃すると、「中国」という言葉を明かしました。

ショップの運営責任者 A氏
「(仕入れは)中国という話を伺いました」

“偽浄水カートリッジ“流通の裏側を追いました。

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大阪府に住む男性は2022年夏に、ショッピングサイトでシンクの下に取り付けるタイプのカートリッジを購入したといいます。しかし、男性は「化学薬品みたいな味がしたんですけれども、様子見ながら使用をしていました」と、当時の違和感について振り返りました。

ネット上では「正規品」とうたい、通常より安く売られていました。製造元のメーカーに問い合わせをしたところ、偽物だったのです。

“偽物”を購入した男性
「世に知れたECサイト(大手ショッピングサイト)で購入したので、まさか偽物が売っているとは、自分でも思ってもいなかったので。特に口にするものなので、偽物が売られていることに恐怖と驚きを感じました」

男性は“安さ”につられ購入してしまったといいます。家族も使っていたため、健康に影響がないか不安だと話します。

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ネット上に流通する“偽浄水カートリッジ”。リクシル社製の蛇口に直接取り付けるタイプと比較すると、箱のデザインも印刷された字の色合いも同じで、どちらが偽物か見分けるのは困難です。

正規品と見分ける違いの1つが、「販売価格」です。正規品の販売価格は、3本で1万3410円ですが、大手ショッピングサイト内にあるネットショップでは約半額の7400円で販売されていました。

他のネットショップには「正規品」と表示されたものも販売されていました。

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私たちは、安く売られていたカートリッジを2つのネットショップから購入しました。製造元のメーカー「リクシル」に持ち込み、検査を行いました。

正規品のカートリッジを通した水と、ネットショップで購入したカートリッジを通した水を比較しました。塩素が取り除けているか、試薬を入れて調べます。偽物の場合は、ピンクに発色するといいます。

リクシルの浄水カートリッジ担当者が、遊離残留塩素に反応する試薬を正規品、持ち込み品にそれぞれ入れました。すると…水の色が変化しました。

リクシル 浄水カートリッジ担当者
「(ネットで購入した製品は)水中にある遊離残留塩素に反応して、ピンク色の発色をしています。正規品とは異なるということが確認できます」

正規品では80%以上の塩素が除去できますが、私たちがネットショップで購入した物では、わずか30%ほどでした。検査の結果、偽物と判明しました。

別のネットショップで販売されていたカートリッジを切断して、水を通す内部の材質を調べました。すると検査の結果、この商品も偽物でした。

浄水カートリッジ担当者
「正規品はセラミックが使われているのですが、持ち込み品は樹脂だと思われますが、セラミックではない材質が使われています」

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ネット上に“偽浄水カートリッジ”がはびこる中、私たちはショップの運営責任者A氏を割り出し、直接、話を聞きました。

ショップの運営責任者 A氏
「僕自身は仕入れには携わっていなくて、全て、仕入れから金銭の授受とかまで、全部任せています」

A氏は“小遣い稼ぎで始めた”といい、仕入れなどは見ず知らずの第三者に任せていると語りました。

――どこから、どういう商品を仕入れるという相談はあった?

ショップの運営責任者 A氏
「中国ということを、はじめにお話を伺いました」

――中国?

ショップの運営責任者 A氏
「はい」

A氏の口から語られたのは「中国」という言葉でした。A氏は自身の名義でショップを開設し、知人の紹介で開設手続きをサポートしたB氏らのグループに運用を任せたといいます。

ショップはB氏らから「中国側」と呼ばれるグループの手に渡り、この「中国側」が仕入れや発送など全てを行っていたといいます。A氏は名義を貸す見返りとして、月の売り上げ0.5%を報酬として受け取る契約だったといいます。

ショップの運営責任者 A氏
「自分の考えが甘かったと思うんですけど、偽物を提供することに加担したことは反省しています」

その後、A氏は全ての販売を停止しました。

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私たちは、さらにA氏のショップ開設をサポートしたB氏も直撃しました。B氏は「ショップの開設サポートはしているが、商品の仕入れなど実際の運営は全て『中国側』でやっているから、一切関わっておらず、わからない」と答えました。

さらにB氏は「正規品を販売していると認識していた」と話し、全て「中国側」でやっていると主張しました。

「中国側」と呼ばれる、グループの存在…。

リクシルが提供したのは、2022年5月ごろに撮影された税関により摘発された“偽浄水カートリッジ”の写真です。国内でしか生産されていないはずの物が、中国から大量に持ち込まれました。

リクシル事業部 商品責任者
「300とか400という単位で見つかっています。国だと中国ですね」

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背後に見え隠れするのは、「中国」の存在です。消費者庁は「安い価格に注意し、購入する前に正規のメーカーに確認すること」などを推奨しています。


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