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【箱根駅伝の裏側】立教大学・上野裕一郎監督 55年ぶり出場のウラにあった選手との距離の縮め方

2023年2月7日 17:01
【箱根駅伝の裏側】立教大学・上野裕一郎監督 55年ぶり出場のウラにあった選手との距離の縮め方
立教大学・上野裕一郎監督(写真:日刊スポーツ/アフロ)
1月2日、3日に行われた箱根駅伝に、55年ぶりに出場した立教大学。結果は18位と、目標のシード権獲得はなりませんでしたが、"55年ぶりの出場"という快挙を成し遂げられた大きな要因には、上野裕一郎・男子駅伝監督の指導法がありました。(2023年1月7日に日本テレビでOAされた『もうひとつの箱根駅伝』より)

2018年に就任した上野監督は、現役時代、中央大学で2005年から2008年にかけて、4大会連続で箱根駅伝に出場し、3年時には3区で区間賞を獲得しました。

選手としては、駅伝のトップレベルで活躍した上野監督ですが、監督としてどのように選手との距離を縮めればいいのか悩んだといいます。

就任後初めて迎えた正月には、選手たちに「寮で一緒に箱根駅伝を見よう」と声を掛けてみたものの、帰省する選手も多く、選手は一人も集まりませんでした。

それでも地道に改革に取り組みます。まずは選手たちの輪の中に積極的に入っていくことを意識。練習では一緒に走りながらアドバイスをするなど、とにかく選手との接点を増やしました。

上野監督「ここで見てこうやってと言うのもいいんですけど、(選手と走りながら)横に付いてあげて、『なんかこの動き硬いな』と思ったら『腕にちょっと余裕持って』とか『丁寧に足下ろして』『お尻が抜けているからフォーム反ってきているよ』とか。(選手の)近くで言ってあげることが一番いいのかなって」

これには選手たちも、「やっぱり走る監督というのはここ(立教大学)ならでは。監督自身が自分たちよりも速いので、そこはすごく自分たちのモチベーションにもつながっていますね」「目指すべき存在という感じですね」と、評判も上々でした。

また、一緒に走って声を掛けるだけでなく、監督自身が選手よりも速いペースで走ることで箱根レベルの走りを体感させ、チーム力の底上げや意識の改革にも取り組みました。

上野監督は、「あとは最後に(自分の)力を見せつける」と実際に走って見せ、学生たちを圧倒するなど、監督のお茶目さがうかがえる場面もありました。

迎えた箱根駅伝当日。往路を20位でつなぐと、復路では徐々に順位を上げ、9区・中山凜斗選手は18位でタスキリレーを終えます。

上野監督は、「中山ナイスランお疲れ!ありがとう中山、タスキつながったよ、55年ぶりにつながったぞ。来年はもっと上に行くよ!」と、熱く声を掛け、中山選手も腕を上げて応えました。

55年ぶりの出場でタスキをつなぎ、18位でフィニッシュした立教大学。来年の100回大会では、2年連続の出場、そしてより高い順位でのフィニッシュに期待が高まります。

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