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天皇陛下 哀悼とお見舞い 能登半島地震で初めてのお言葉

2024年1月20日 11:15
天皇陛下 哀悼とお見舞い 能登半島地震で初めてのお言葉
天皇陛下 能登半島地震で「心からお見舞い」
「警視庁創立150年記念式典」に出席された天皇陛下は1月15日、能登半島地震で亡くなった人たちに哀悼の意を表し、被災者にお見舞いを伝えられました。このニュースについて、日本テレビ客員解説員の井上茂男さんに聞きました。

■天皇陛下 能登半島地震で初めてお言葉

天皇皇后両陛下は、15日、警視庁の式典に出席し、天皇陛下が、能登半島地震について発生以来初めてお言葉を述べられました。

天皇陛下:「この度、令和6年能登半島地震により亡くなられた方々に哀悼の意を表し、御遺族と被災された方々に心からお見舞いをお伝えいたします。今なお安否が不明の方や避難を余儀なくされている方も多く、救援と復旧の作業が速やかに進むことを心から願っています。また、厳しい天候と寒さの中、災害対応に力を尽くしている関係者の皆さんの努力を深く多といたします」

今月2日の「新年一般参賀」は、両陛下のお気持ちを踏まえ中止されました。また、両陛下は5日、追悼とお見舞いなどの気持ちを石川県知事に伝えられていました。

――井上さん、陛下のお言葉をどのように受け止められましたか?

能登半島地震が起きて、公の場でお言葉を述べられる最初の機会でしたので、ご自分の肉声で哀悼とお見舞いの思いを直接に伝えたい、というお気持ちあってのことと思って聞きました。

両陛下は29年前、中東のヨルダンなどを訪問しましたが、出発の3日前に阪神・淡路大震災が発生し、予定を変更して2日早く帰国されました。私も同行して取材しておりましたが、出発前に「忍びない気持ち」と胸の内を明かし、現地の記者会見では「日本を離れて日一日と被害が大きくなっている現状に大変心を痛めていました」と話されました。大震災に際して、そうした苦い経験がおありになるだけに、災害時に被災地に心を寄せるお気持ちは強いと思います。

■石川訪問14回 能登の文化や風土をよく知る陛下

天皇陛下は、高校1年の時に初めて能登半島を研修旅行で訪ねて以来、確認できただけで石川県を14回訪問されています。

画像は、2018年に珠洲市や輪島市など奥能登を訪ねられた時のものですが、伝統の塩作りを守る揚げ浜塩田や、千枚田などを視察し、能登の文化や風土についてよくご存じです。それだけに、「あの時に訪ねた場所」と、接した人たちの顔を具体的に思い浮かべ、心配されていると思います。

両陛下は、即位の年の12月、台風被害を受けた宮城県と福島県を見舞われています。側近によれば、お二人は能登の被災地を見舞いたいというお気持ちをお持ちのようですので、時機を見て、被災地を訪ねられると思います。

――改めてこの能登の美しい景色などを見ると、今回の変わり果てた様子に心が痛みます。被災された皆さんが少しでも早く安心して過ごせる生活に戻れることを願っています。

【井上茂男(いのうえ・しげお)】
日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)