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【解説】ワクチン「新たなメリット追加」 コロナ後遺症が出た後でも“接種で軽減”驚きの研究結果も

2022年2月17日 11:48
【解説】ワクチン「新たなメリット追加」 コロナ後遺症が出た後でも“接種で軽減”驚きの研究結果も

オミクロン株中心の第6波も「ようやくピークを越えた」とみられます。そして、これから増える可能性のある後遺症に「ワクチンが有効だ」という研究が出てきました。詳しく解説します。

■専門家会議「感染者数はピークを越えた」

16日、全国で確認された新型コロナウイルス感染者は、9万904人となりました。感染者数は、今月5日の10万5625人をピークに、全国的にも徐々に減少しているように見えます。

この感染状況をどう見たらいいのか?16日、厚生労働省の専門家会議は「感染者数はピークを越えた」との分析結果を示しました。

厚労省アドバイザリーボード 脇田隆字座長
「我々としても、全国の感染者数のピークを越えたと考えています。だいたい2月の上旬にピークを越えたと考えています。感染者数のピークが来て、それに遅れて重症者も死亡者もピークがくる。感染者数をしっかり下げていくことが、重症者・死亡者数を減らすために重要になってくる」

死者数については、去年の第4波のピークを上回る水準で急激に増加しています。15日に全国で亡くなった人は、過去最多の236人となり、16日も230人が確認されました。

感染者についても、高齢者、特に80代以上ではまだゆっくりと増加していることから、今後も高齢者の入院や死亡者が続くことが懸念されています。

こうしたことから、専門家会議のメンバーで京都大学の西浦博教授が、オミクロン株が中心となっている第6波の死者数を試算しました。この試算によると、「今後、4月までの合計の死者数は4000人を上回る」という予測となりました。

このうち、約3000人が80歳以上の高齢者です。これはデルタ株が中心だった去年の第5波の約3000人を上回り、「このまま拡大が続けば、その前の第4波の約6000人に迫るリスクがある」ということです。

オミクロン株は、「重症者・死者の割合は少ない」と言われますが、感染者数が圧倒的に多いので、死者数が増えてくる予測となっています。ただし、この予測は「ワクチンの接種率は加味していない」ということです。

西浦教授は「『3回目接種』と『施設の感染対策』をすることで死者を一部減らすことは可能で、高齢者の3回目接種を実施すればするほど、接種した人が助かることにつながると思う」としています。

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■感染ピーク越えても「後遺症」増加の可能性も
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