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袴田巌さんの姉「弟に真の自由をお与えください」無罪主張 事件から57年「再審」初公判

2023年10月28日 8:37
袴田巌さんの姉「弟に真の自由をお与えください」無罪主張 事件から57年「再審」初公判

57年前、静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑判決を受けた袴田巌さんの再審=やり直し裁判の初公判が行われ、姉のひで子さんがあらためて無罪を主張しました。

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事件から57年。27日、袴田巌さんの再審の初公判を終え、姉・ひで子さんが語りました。

袴田巌さんの姉 ひで子さん(90)(静岡市午後6時半ごろ)
「巌は無実でございますから無罪と言うしかございません。自然に声が震えてきました」

袴田さんは長年収容されていた影響で、十分に会話ができないことから出廷の免除が認められ、補佐人としてひで子さんが出廷。

「私が弟に代わって無実を主張します。弟に真の自由をお与えくださいますようお願い申し上げます」と、弟の無罪を訴えました。

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事件が起きたのは1966年6月。静岡県の旧清水市で、みそ製造会社の専務宅が全焼。焼け跡から刃物で惨殺された一家4人の遺体が見つかりました。逮捕されたのは、会社の住み込み従業員で元プロボクサーの袴田巌さん、当時30歳。

袴田さんが裁判で一貫して無実を主張する中、事件から1年2か月がたって発見されたのは、犯行時の着衣とされる“5点の衣類”。これが決め手となり1980年に袴田さんの死刑が確定します。

しかし、逮捕から48年がたった2014年。2度目の再審請求で静岡地裁が裁判のやり直しを決定。“5点の衣類”について、血痕の色やDNA型の鑑定結果などから「袴田さんのものではない」として、捜査機関による“ねつ造”の疑いがあるとまで言及したのです。

無実を主張しながら逮捕され、48年たって釈放された袴田さん。78歳になっていました。
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“5点の衣類”について「もともと多くの疑問があった」と話すのは、袴田さんの弁護団です。

弁護団 小川秀世弁護士
「使っているみその醸造タンクから(5点の衣類が)出てきた。犯人が隠すようなところではない。袴田さんが持っていた衣類に類似して、袴田さんのものであるかのような工作もされた」

着目したのが衣類についた「血痕」。1年以上みそに浸(つ)かったものの証拠写真の衣類には血痕の赤みが鮮明に残っていたのです。

みそ漬け実験などを繰り返し「長期間みそに浸(つ)かると血痕は黒く変わるはずだ」と主張。再審を認める決定につながりました。

しかし、検察が決定に不服を申し立てたことで審理はさらに長期化。2018年、東京高裁は一転、再審を認めず判断は最高裁へ持ち越されました。しかし最高裁は審理に不十分な点があるとして東京高裁に差し戻し、そして今年3月。今回は、検察が特別抗告をせず、裁判のやり直し=再審が決まったのです。

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27日に初公判を迎え、来年4月以降に結審する見通しのやり直し裁判。

袴田巌さんの姉 ひで子さん(90)
「私は絶対に無実だと思っております。今後ともよろしくお願いします」

(10月27日放送『news zero』より)

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