大山加奈さん、“2人乗りベビーカー”で都営バス「乗車拒否」――「生きづらい国になった」波紋 混雑時は?…本来の対応をロケ
バレーボール元日本代表の大山加奈さんが、双子用ベビーカーで都営バスに乗車拒否されたと明かし、波紋が広がりました。本来の利用方法について、横浜市営バスで実演してもらいました。ベビーカーと乗ることに肩身の狭い思いをする人は少なくありません。
■大山さんの「乗車拒否」投稿で波紋
2人乗りのベビーカーで乗ろうとしたら拒否され、手伝ってもらえなかった――。SNSでバスをめぐる出来事が明らかになり、物議をかもしています。9日、都内の公園で、双子が乗ったベビーカーを押す母親に聞きました。
「かわいいね、かわいいね、って言っていただけるので、困ったことは今のところないです。ただ、バスに乗らないと困る時もあるので、そういう出来事があると、バスに乗りづらくなるかなと思います」
去年、双子の母親となったバレーボール元日本代表の大山加奈さん。7日、双子用ベビーカーと都営バスに乗ろうとしましたが、1台目では扉を開けてもらえずそのまま素通りされ、2台目には乗車できましたが、乗務員に手伝ってもらえなかったとSNSに投稿しました。
「自分なら双子用ベビーカーを載せるのは迷惑かつ難しいからバスに乗ろうとは思わない」、「『手伝ってもらう前提で行動するな』という意見はあまりに冷たすぎる。本当に生きづらい国になってしまった」と波紋が広がっていました。
■横浜市営バスで本来の乗り方を実演
本来、バスではどのような対応をするのか。2人乗りのベビーカーを押した岩本乃蒼アナウンサーが9日、横浜市営バスで乗務員に見せてもらいました。
バスが到着した場面を想定し、岩本アナウンサーが「2人乗り用のベビーカーでバスに乗ります」と運転席に声をかけると、乗務員が中央の扉から乗車するように促しました。1人で乗りづらい場合は、「お声がけいただければお手伝いします」と乗務員は説明しました。
車内ではベビーカーを置くスペースを作るため座席を跳ね上げますが、ここに座っている乗客に移動してもらうこともあるといいます。
続いてバスの進行方向と逆向きにベビーカーを留め、タイヤをロックします。乗務員が渡すベルトと座席のベルトで2か所固定する作業は、原則乗客自身が行います。
■都は謝罪…混雑時は乗れない場合も
乗れないケースもあり、横浜市営バスの乗務員は取材に「車内が混んでいる場合にはご遠慮いただく場合もあります」と言いました。
都営バスでも去年からほぼ同様の対応をしていて、乗客自身にベルトで固定してもらっているといいます。またベビーカーが通路をふさぐ場合などは、乗れないことがあるとしています。
東京都は大山さんの件について調査した結果、「1台目の乗務員はバス停の看板に隠れ気づかなかった」としたものの、「2台目の乗務員がベビーカーを置くために座席をたたむ対応を取らなかったことは適切でなかった」と認め、謝罪しました。
■ベビーカーを使う母親「にらむ人も」
大山さんのように、ベビーカーで肩身の狭い思いをしている人は少なくありません。
母親
「自分が(ベビーカーをバスに)載せたら、お邪魔な顔をされることも正直あるので。あからさまに、にらんでくるような人もいます」
別の母親
「普通にバスが来て扉が開いたんですけど、乗ろうとしたらチラッと見られて、そのまま扉が閉まって行ってしまった。ベビーカーだったからか分からないですけど…」
バス以外でも、子連れに厳しい場面に遭遇することがあります。
ベビーカーを使う母親は「(飲食店に)子どもが来たことで(他の客が)あからさまに『うるさいな』とか『うるさいから早くお店出よう』と言ったりとか…」と明かします。
「こちらも気を付けて、泣かないようにあやしたりして、そこまで声出してなかったと思いますけど、あちらにとっては不快だったのかなと思うと、難しいなと思いますね」
(11月9日『news zero』より)