「屋根まで上ってくれる人がいなくて…」屋根の雪下ろしを担う企業に密着取材 喜多方市・福島
転落などの危険を伴う「屋根の雪下ろし」ですが、その作業を担う企業が喜多方市にあります。その現場を取材しました。
今月14日の喜多方市です。街の中心部の道路はしっかり除雪されていますが、建物の屋根には分厚く積もった雪が残っています。この日、除雪を担う企業が作業をするのは2階建てのアパート。よく見ると、雪の重みで屋根が歪んでいます。
■大建工業建築課 係長 白井秀夫さん
「これから暖かくなるので一気に雪が車道のほうに落ちてきて車か人にぶつかる危険な状態」
記録的な大雪でアパートの管理人も不安を募らせていました。
■アパート管理人 阿部周子さん
「屋根まで上ってくれる人がいなくて、毎日焦りながら、心配しながら見ていました。」
地元の建設会社「大建工業」の作業員が命綱をつけ、およそ6メートルの高さにある屋根へ上ります。積もった雪は厚い所で70センチほど。
白井さん「はい、OKです!」
屋根の上の作業員からは雪が邪魔して屋根の端がどこにあるのかわかりません。
白井さん「ゆっくり」「ゆっくりだよ」白井さん「だいたいそこで(屋根の)鼻先!」
下の見張り役が安全を確認し指示をしながら作業を進めます。
6メートルから落ちてくる雪の塊。人に当たれば凶器そのものです。急を要する屋根の除雪ですが、大建工業によりますと今月14日の時点で60件ほどの予約が入っていて、2週間待ちの状態だといいます。作業の進捗を阻むのが、時間が経って圧縮された「固く重い雪」です。作業開始から2時間。
白井さん「はいオッケー、クオンさんこれで終わりにします」
高さ30センチほどの雪を残して作業は終了です。
白井さん「これ以上削ってしまうと天気が良くなってきているので、屋根から雪が一気に落ちてきてしまうので作業員も危ない」
屋根に雪を残しておくのも安全対策のひとつなのです。
取材D「お疲れさまでした、この後も作業が?」
白井さん「この後予約が入っていまして、今度は一人暮らしの高齢者の方の家に行って除雪をしてきます。暗くなる前に安全作業ができるうちに2軒か3軒(屋根の雪下ろしを)やって行きたいと思う。」