「困るったい」夏を前にエアコン室外機が次々に消えた 糸島市で11台が盗まれる 室外機は「金属の塊」換金目的か 取材当日にも逮捕者が 福岡
気温が上がり、これから利用の機会が増えるエアコン。その室外機を狙った窃盗事件が相次いでいます。福岡県糸島市では、ことしに入って5件確認されています。なぜ、室外機が狙われているのでしょうか。
■阿部まみフィールドキャスター
「こちらの公民館にあるはずのエアコンの室外機がなくなっています。 屋内とつながるコードを触ってみるとかなり頑丈で、先端部は切られたような跡があります。」
消えたエアコンの室外機。自治会長の中村さんによりますと5月26日、公民館を利用する住民からの連絡で被害に気づいたといいます。
■芥屋区自治会長・中村進さん
「打ち上げで使うために準備していた。なんかおかしいですよって電話があって、来てみたら、ないねと。まさかねという感じでしたね。」
公民館には室外機が4台が置かれていて、そのうちの1台が盗まれました。
室外機につながっていたホースや導線は無残にも切断され、固定するための部品も外されていました。
これから夏を迎えエアコンが欠かせなくなりますが、室外機が盗まれ1台が使えなくなったことから、隣の部屋のエアコンで補っているといいます。
警察によりますと、糸島市内ではことし2月から5月にかけて、公民館の被害を含め室外機の窃盗事件が5件相次いでいます。
盗まれたのはあわせて11台で、被害総額は110万円を超えます。
被害に遭ったのは、別荘や企業の保養所、空き家など、ふだん人がいない建物です。
なぜ室外機が狙われるのか。そこには室外機の中身に理由がありました。
■カノデンキ・佐藤一貴さん
「茶色の部分が全部、銅。配管が銅。コンプレッサーという部品は鉄の塊。コネクターの部分はしんちゅうという金属。」
室外機はまさに金属の塊です。1台でおよそ10キロから20キロの銅が使われているといいます。さらに、新しいものではなく、古い室外機ほど金属の量が多いということです。
その金属を狙った窃盗事件は増加しています。
福岡県警によりますと、県内の金属窃盗の件数は統計のある2020年から徐々に増え、去年400件を超えました。ことしに入ってもすでに115件の被害が確認されています。
■阿部フィールドキャスター
「男は建物の裏にある、人目につきにくい室外機を狙ったということです。」
29日午前、福岡市東区では室外機を盗もうとしたとして、77歳の無職の男が窃盗未遂などの疑いで現行犯逮捕されました。
警察の調べに対し容疑を認めた上で「金がないのでお金にしようと思った」と話し、動機は換金目的だったということです。
■関係者
「困るったい。今から使わんといかんのに。」
室外機が盗まれないようにするためにはどうすればいいのでしょうか。
■カノデンキ・佐藤さん
「センサーライトをつけていただくと、光ることによって犯人もやめておこうかなという気になる。防犯カメラもあるだけで、やめておこうかなとなることもある。そういうものを設置していただければ防犯対策に。」
相次ぐ室外機窃盗事件。警察は、防犯カメラやセンサーライトを設置するよう住民に注意を呼びかけています。