【水俣病】健康調査を始めるための費用 環境省が来年度予算概算要求に盛り込む
■伊藤信太郎環境相
「水俣病に関する医療、福祉、地域づくり、情報発信、研究をさらに進めたいと考えている」
伊藤環境相は30日、来年度政府予算の概算要求に水俣病対策として、今年度予算より6億2000万円多い116億円を計上したことを明らかにしました。その中には、水俣病患者が発生した不知火海沿岸に住む人の健康調査を再来年度中に始めるための予算1億5100万円も含まれます。
この調査は水俣病特別措置法で国に実施が義務付けられていますが、国は「調査の方法を開発中」として15年着手していません。環境省は、脳磁計とMRIを組み合わせた検査手法を検討していて、来年度は実用性の確認などを行うことにしています。
また、被害者団体が要望した離島で暮らす人が島の外の医療機関などに通院する際に支給される「離島加算」の増額も概算要求に盛り込みました。団体側は現在の月額1000円から1万円への増額を求めていましたが、概算要求に盛り込まれた増額は1000円で、伊藤環境相は「離島加算がない人とのバランスなどを勘案した」と説明しています。