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TSMC本格稼働後に規制外有機フッ素化合物の濃度が上昇 「科学的には安全レベル」

2025年3月26日 10:00
TSMC本格稼働後に規制外有機フッ素化合物の濃度が上昇 「科学的には安全レベル」
半導体関連企業の集積で熊本が誇る「水」はどうなっているのか、熊本県が26日、水質の調査結果を公表しました。
去年12月に量産が始まった台湾の大手半導体メーカー・TSMCの第1工場。量産開始を受けて熊本県は、工場周辺の地下水や排水を処理する浄化センターのそばにある坪井川などの13か所で工場が稼働する前と後の水質の変化を調べています。

26日の熊本環境モニタリング委員会で、法で規制される物質については稼働を原因とする大きな変化はなかったことが報告されました。一方、法で規制されていない1万種類以上の物質を県が独自に調べたところ、坪井川の浄化センターの下流で、有機フッ素化合物の一種、PFBS・PFBAの濃度が稼働前よりも上がったことがわかりました。

このPFBSとPFBAは半導体を製造する際によく扱われる物質です。今回、PFBSが1リットルあたり59ナノグラムと稼働前と比べ上昇したということです。PFBAはTSMC第1工場の稼働前は検出されていませんでしたが、1リットルあたり15ナノグラムが検出されました。

いずれも、ほかの国で定める飲み水の規制値と比べると低い濃度で、科学的には安全なレベルだといいます。

■熊本県環境モニタリング委員会 篠原亮太委員長(環境調査専門)
「このレベルでは毒性で直接的な影響はない。5年10年でどうなるか、そういう面でみたらレベルをもっと下げて、十分すぎるくらい下げてもいい」

熊本県は、来年度以降も継続して調査などを行う方針です。

最終更新日:2025年3月26日 10:00
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