「大きなターニングポイントだったのかな」障がい越えて同じ“ダイヤモンド”を…車いすソフトボールに魅せられた男性の思い 青森県三沢市
特集は車いすに乗ってプレーする「車いすソフトボール」です。
障がいの有無、年齢、性別の垣根を越えてプレーすることができるユニバーサルスポーツを取材しました。
三沢市のスポーツセンターに車を運転してやってきたのは、八戸地域を拠点に活動する車いすソフトボール「青森WANDO」のメンバー妻神一誠さんです。
妻神さんは生まれつき下肢障がいがあります。
この日はメンバーと一緒に競技で使う車いすを借りに来ました。
「青森WANDO」は月に1回ほど、体験会を兼ねた練習を行っています。
車いすソフトボールは競技用の車いすに乗りながらプレーするアメリカ発祥の競技です。
1チームは基本的に障がいの重い「クラスQ」と呼ばれる選手を1人含む10人です。
ボールは普通のものより大きい16インチソフトボールを使います。
一塁手以外はグローブを使わないのは車いすの操作の妨げになるからです。
この日は普段から車いすを利用する人の他にも競技に関心のある医療従事者や学生が訪れ、妻神さんから指導を受けていました。
★青森放送 濱野壱清アナウンサー
「では実際に車いすにのってバッティングを体験してみます 妻神さん、お願いします…軸がぶれて難しいですね、でも、それが1つの楽しさになっています」
八戸市内で作業療法士として働く石川さんは青森WANDOの中心メンバーの1人です。
★青森WANDO 石川侑利奈さん
「障がいの有無問わず年齢も小さい子からお年寄りまで参加出来るというところが一番の魅力かと思います」
★小学1年生の参加者
(どうだった?)「バットが重かった」
(どんなところ楽しい?)「打つところ」
★参加者の父親
「いろんなスポーツを知ってほしいなというのと、病気があっても、できるものもあるというのを知ってほしいなと思いました」
★参加者
「誘われたのもあるんですけど、一回目が楽しかったから(また)来ました」
「健常者、障がい者一緒に楽しみながらできると思うので、良いところだと思います」
しかし、まだまだ愛好者の少ない車いすソフトボールには課題もあると言います。
★青森WANDO 石川侑利奈さん
「車いすを借りに行く手間だったり」
「(活動)場所の部分もまだまだ課題は残っています」
車いすソフトボールに熱中している妻神さん。
高校までは野球をしていました。
★青森WANDO 妻神一誠さん
「私小学校から高校まで、今で言う特別支援学校という養護学校である施設に入っていたのですが、そこで野球を車いすに乗りながらやっていました」
高校卒業と同時にスポーツから離れてしまった妻神さんですが、青森WANDOとの出会いが転機となりました。
★青森WANDO 妻神一誠さん
「他のスポーツの情報があまりなかったというのが正直なところで、そうした中でここにきてソフトボールとかそういったスポーツに出会えたというのは、大きなターニングポイントだったのかなって」
「すごく出会えて良かったなと思います」
そうした妻神さんの様子を石川さんは…
★青森WANDO 石川侑利奈さん
「(妻神さんは)外に出る機会があまりなくて、こんなに社交的なタイプじゃなかったそうで」
「外に出るきっかけになっているのかな」
青森WANDOでの活動を通して、妻神さんには目標ができました。
★青森WANDO 妻神一誠さん
「もちろん、チームとして活動している以上、チームとして大会に出てみたいとは思っています」
障がいの有無、年齢、性別の垣根を越えてスポーツを楽しむため、そしていずれは大会に出場するため、青森WANDOの活動は続きます。