【特集2024】リニューアル進むJR新潟駅 駅ビルのオープンに新バスターミナル スイッチバック式の旧バスターミナル最後の日から駅ビル全面開業まで 2025年も新店オープン!?《新潟》
2024年に話題となった出来事や関心を集めたニュースをお伝えしています。
ことし春、新潟の玄関口であるJR新潟駅の駅ビルが新しくオープンし、駅前にあったバスターミナルは、駅直下型の新たなバスターミナルに生まれ変わりました。
ことし3月30日に廃止となった新潟駅前の万代口バスターミナル。
昭和、平成、令和と時代が移り変わる中で長年愛されてきたこの場所に関わった人たちの思い、最後の日に密着するとともに、リニューアルされた駅ビルについても振り返ります。
最後の日、3月30日午後10時
3月30日午後10時の新潟駅前、多くの市民がこのバスターミナルにカメラを向けていました。
女性
「最後って聞いたのでちょっと見納めってことでバスターミナルの写真を撮っていました。駅から帰る時は絶対ここから乗っていたので、変わるのがちょっと寂しいなって思います」
男性
「私が生まれたころからずっとあるターミナル。この風景が普通のありふれたものだったので、ちょっと(なくなる)実感がわかない」
持ってきたカメラ3台
バスターミナルの真横で熱心に写真を撮る男性。自家用車で十日町市から駆けつけたといいます。
最後の瞬間を収めるため持ってきたカメラはハンディカメラ、タブレット端末、一眼レフカメラのなんと3台。
カメラ3台で撮影していた男性
「新潟県に住むものとしてやっぱり最後を見届けたいなという気持ちがありまして。やっぱり歴史を重ねてきた場所でもありますし、寂しいけれども本当にお疲れ様という気持ちです」
1日約1000台が発着
どこか懐かしい香りがした新潟駅前万代口バスターミナル。
2番線から13番線まであるため横に長い屋根が目印になっており、1日あたり約1000台が発着・1万5000人が利用してきました。
1958年に完成
1958年6月5日、新潟駅の移転に伴い造られた万代口バスターミナル。
鉄骨式の丈夫な造りで、完成の6年後に発生した新潟地震にも耐えました。
変わらぬ姿で65年間
メンテナンスを繰り返し利用されてきたバスターミナルは、今も昔も変わらない姿で65年間、市民の足を支え続けました。
スイッチバック式
またこのバスターミナルは笛の音を合図にバスを後退させ、ターミナルに入庫するスイッチバックという方式が採用されていました。
バスを誘導する「笛吹き」は名物に!?
新潟交通 運営センター係員 木村 雅弘さん(当時)
「笛の吹き方に決まりがあるんですよ。あるんですけども、だんだん皆さん長い間やっているうちにアドリブがちょっとずつ入って、それが名物だって思っている人もいるんじゃないですかね」
木村雅弘さん、運転手を経てこのバスターミナルで15年間、誘導係員として活躍 してきました。
様々な行き先へ向かうバス。そして大勢の人が行き交うこの場所での仕事は一筋縄ではいかず、幅広い仕事があると言います。
新潟交通 運営センター係員 木村 雅弘さん(当時)
「誘導係員なりたての頃は本当に笛を吹くことだけを考えていたが、やってみたらいろいろやることがあった。お客さんに道を案内したり、忘れ物を探したり、バスが遅れてきたときにはお客様に放送でご案内したり。やっぱり思っていたのと、やってみたのでは違いました。やっぱり不思議ですよね。私が生まれるずっと前からあって、自分の代でなくなるというのは」」
新しいバスターミナルはバスを後退させる必要がないため、“笛吹き”と呼ばれ親しまれていたバスの誘導係員も役目を終えようとしていました。
誘導係員人生の集大成として木村さんも最後の仕事を全うします。
誘導係員を通して様々な経験を重ねた木村さん、新しいバスターミナルでは案内係として勤務すると話していました。
最後の日、3月30日夜11時
3月30日午後11時。
最終バスを見納めに、駅前には歩道から溢れんばかりの人が集まりました。
バスターミナルをねぎらう電光表示
バスで埋まるターミナル。
電光表示にはバスターミナルの65年間を労う言葉たちが。
昭和、平成、令和と長い時間を市民と共に過ごしたバスターミナル。
そして最後の日に感謝を伝えるアナウンスが……。
「65年間、新潟駅万代口バスターミナルをご利用いただきまして誠にありがとうございました」
最後のバスが発車
そして、最後の時……最後のバスが発車していきます。
新潟交通 運営センター係員 木村 雅弘さん(当時)
「あっという間で本当にびっくりしますね。名残惜しいというよりも『あー終わっちゃった』みたいな。本当にほっとしている。無事終わって良かったです。シンプルに無事終わって良かったと思っております」
さよなら万代口バスターミナル
最後の役目を果たした新潟駅前万代口バスターミナル。65年間の歴史に幕を下ろしました。
◆新潟駅ビルはグランドオープン前から大行列
一方、大幅なリニューアルが進むJR新潟駅の駅ビル「CoCoLo新潟」も話題となりました。
グランドオープンを前にまず関心を集めたのは3月21日に先行オープンした県内初出店のスーパー「成城石井」。 開店前には200人の行列ができ、訪れた人は関東のキッチンで作られた自家製の惣菜やデザートなど買い物カゴをいっぱいにしていました。
そして3月27日に、新幹線改札の目の前のエリア2階「EAST SIDE」50店舗がオープン。
駅ビルに出店する店舗の多くが県内初出店の菓子店や新業態のショップでした。
500円以下の日用品を中心に取りそろえた店や和洋菓子、土産品など、観光客はもちろん、新潟に住む人も買い物に行きたくなるような店がずらりと並びました。
〈CоCоLо新潟店運営室 阿部 健明さん(当時)〉
「今まで駅は電車に乗る場所、駅にお買い物に行くというイメージがあまりない。新潟駅って楽しいよね、新潟駅に行ってもう少しいろんなとこに行ってみたいと思ってもらえるとうれしい」
その後、「CоCоLо新潟」はラーメンやアルコールが楽しめる飲食エリアのオープンも含め4月25日にグランドオープンを迎えました。
◆4つのエリアがオープン
4月25日には63店舗が4つのエリアで一斉オープンしました。
イベントスペース・ガタリウムで開かれたセレモニーには、艶やかな和装で新潟市出身の歌手・小林幸子さんが登場しました。
このオープン時には約2時間前から行列ができ、多くの買い物客が訪れていました。
ここまでで既存店も含め駅ビルでは約150店舗が営業を開始しました。
◆約170店舗が営業する商業施設に
バラエティ豊かな食が集まるフロアは、その後、12店舗が5月29日にオープンしました。
ロッテリアの新ブランドで絶品バーガーとカフェテリアを組み合わせた「ゼッテリア」や「牛たん炭焼 利久」、スペイン料理の「VIDRIO(びいどろ)」など多くの飲食店が出店しました。
駅ビルでは、その後、秋にもレストランや惣菜店などがオープンしました。9月に2店舗、11月に3店舗が新たに出店し、現在162店舗が営業する商業施設となっています。
2025年も、さらに新たな店舗がオープンするということです。
春の開業から半年以上経ち混雑は緩和されてきたものの平日夕方や、週末には開業時のような混雑が見られ、新潟駅周辺の活性化に期待が寄せられています。
リニューアル工事が進む新潟駅。
“都市の庭”をコンセプトに、万代広場は以前の約2倍の広さになる予定です。
すでに一部の通路は新潟の川や潟をイメージしたガラスの屋根が設置されていますがさらに工事を進める予定です。
万代広場では、現在、駅西側のタクシープールや、一般駐車場、中央部分のイベントスペースなどの整備工事が行われています。
新潟市によりますと当初2026年春の完成を目指していましたが、歩行者の動線を確保しながらの工程や、資材の調達、原材料の高騰、工事の進捗状況などから2026年春に間に合わないことが判明。「全面供用」については1年後の2027年春をめざすとしています。
全面供用は2027年春としていますが、利用者の利便性を優先し駅の西側のタクシープールや駅に直結するペデストリアンデッキ(エスカレーター、エレベーター、階段も)、現在の場所から移転が予定されている新潟駅前交番については2026年春に供用を予定していて、完成したところから段階的に供用するとしています。
市の計画では、2026年の4月~10月に多機能トイレや、イベントスペースなどが供用され、2027年春に西側の一般駐車場や広場中央部の植栽エリアが完成する予定だということです。
(※テレビ新潟2024年3月以降に配信した記事より一部抜粋)