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「悔しい…」農作物全滅の畑も 大雨特別警報から5日 甚大な被害次々と

2024年7月29日 18:31
「悔しい…」農作物全滅の畑も 大雨特別警報から5日 甚大な被害次々と

2度の特別警報が発表されるなど、山形県では庄内と最上を中心にこれまでに経験がないほどの大雨となりました。県民の命、住宅、農業などに甚大な被害の爪痕を残した29日までの5日間を振り返ります。

25日朝 酒田市で1時間に100ミリ超の猛烈な雨が振り、記録的短時間大雨情報が出されました。

記者リポート「こちら新庄市の升形川では濁流となっています」

25日の1日で2度発表された大雨特別警報。26日早朝、大雨特別警報は大雨警報に切り替わりました。
一夜明けた庄内、最上では各地で被害が明らかになっていきます。
新庄市では、パトカーで住民の救助に向かった20代の警察官2人が行方不明に。26日午後、このうちの1人が見つかり、その後、死亡が確認されました。

鈴木邦夫県警本部長「痛恨の極みです」

26日午前 戸沢村蔵岡では自衛隊が上空から住民を救助しました。

酒田市八幡地区では集落が孤立しました。

住民を救助した自衛隊員「こんな感じでおぶって」(これで車が行けるところまで)「橋を渡り切った後まで運んだ。長かったが、そこまで運ばせていただきました」

記者リポート「川の水が住宅街に流れ込んだ鶴岡市三和です。今、救助された住民を乗せたゴムボートが戻ってきました」

取り残された住民の救出活動が続きます。
水が引いた地域では。

住民「ここにも水がたまりました」
中川悠アナウンサー「タオルがかなり茶色く染まっていますね」
住民「気付いた時には移動できる状態ではなかった。すぐでした。わーっと。あっという間でした。逃げる暇がなかった」

交通網にも大きな被害が

中川アナ「日本海東北道の遊佐菅里インターから遊佐鳥海インターの間の区間です。道路が大きく陥没しています。中がむき出しになっています」

ヘリリポート「土砂崩れが発生して黒い家が流されています」

舟形町では、土砂崩れに住宅が巻き込まれ、80代女性が足にけがをしました。

ヘリリポート「こちら戸沢村の役場ということですが、役場も冠水してしまっています」

最上川の氾濫で中心部の大部分が浸水した戸沢村です。

山本アナ「こちら戸沢村役場です。役場前の道路はあたり一面泥で覆われていて、とても歩きにくい状況となっています」

荒川知也副村長「一番ピークの時の水は、階段の上まできてドアに入りそうだった」

戸沢村では農業にも大きな被害がでました。トマト畑が全て浸水した農家もいます。

トマトの生産者は「農家をやっているが、ことしの農作は無理かなと思っている。悔しいですけど・・・」

酒田市では道路が大規模に崩落。腰の高さまで土砂に覆われた場所もあります。沢が増水し住宅に流れ込みました。

住民は「電気、水道、ガスが使えない。やることがいっぱいありすぎて何から手を付けていいのか・・・」

酒田市では、86歳の女性が避難途中に行方不明になりました。自衛隊などが捜索を続けていますが、女性は見つかっていません。
警察官2人が行方不明となった新庄市の現場。28日午前、残る1人とみられる男性が見つかり、死亡が確認されました。
そして29日。

山川麻衣子アナウンサー「鮭川村の京塚地区です大雨が5日が経ちますが、このように住宅街に続く道路には大量の泥が残っています。辺りは鼻をつくような泥の匂いが立ち込めています」

一時、8割もの住宅が断水した鮭川村。この家では28日まで断水が続いていました。

住民は「まだ白っぽくて、飲み水としてはちょっと…料理も洗い物もできない。いつまた止まるかもわからないので…」

住民たちの生活用水を確保しようと、金山町から給水車が出動します。食事やトイレ、それに洗濯に、不便な生活を強いられています。鮭川村によりますと復旧には早いところでも29日から5日程度はかかる見込みです。
2度にわたる大雨特別警報。県内でこれまで経験したことがない未曾有の水害。全容はまだ把握されていません。

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