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【特集】「今から心臓マッサージのやり方を言うので、やってください!」“命の最前線”「消防管制室」で奮闘する『通信指令員』 中には救急車の出動を断らなければいけない場面も…求められる“集中力”と“判断力” SOSに応える24時間に密着

2024年5月6日 2:00

(小西さん)
「1時間指令台についたら、みんな結構、頭がヘロヘロです」
(飯田さん)
「自分の気持ちを盛り上げてから指令台に座らないと、操作ミスは命取りになるので」

 消防管制室への通報は、一日に約370件。中には、救急車の出動を断らなければいけない場合もあります。

(飯田さん)
「こけたのは、あなた?」
-(通報者)
-「そうです」
(飯田さん)
「どこも痛くない?」
-(通報者)
-「どこも痛くない」
(飯田さん)
「病院に行く意思はある?」
-(通報者)
-「行く気ない」
(飯田さん)
「行く気ないの…?どうしても病院に行きたくない?」
-(通報者)
-「起こしてもらわないと、仕方ない」
(飯田さん)
「ごめんなさい。起こしてもらうというだけでは、なかなか救急車は出せないんです。近所の方とか…」
-(通報者)
-「なら、よろしい!」
(飯田さん)
「よろしいの?」
-(通報者)
-「はい、もう仕方ない」

 救急車を呼ぶべきかどうか、通報者自身が判断できないこともあります。限りある救急車を有効に使い、一人でも多くの命を救うため、神戸市消防局では、医師や看護師にアドバイスを求められる『救急安心センター』の利用を呼びかけています。

「みんなに助けてもらっている―そんな42年間です」通信司令官として20年以上キャリアを積み…消防管制室の“ムードメーカー”、夢は『木のおもちゃ屋さん』

 神戸市消防局で指令員として20年以上のキャリアを持つ、薮内生也さん(60)。

(薮内さん)
「はい119番、神戸消防です。救急車ですか?火事ですか?」

 時には通報者に適切な処置を指示、時には気が動転している家族を落ち着かせる…正に、この道の『スペシャリスト』です。

(薮内さん)
「具合が悪いのは、あなた本人ですか?」
-(通報者)
-「子どもで、2歳です」
(薮内さん)
「男の子?女の子?」
-(通報者)
-「女の子です」
(薮内さん)
「今、どんな症状でしょうか?」
-(通報者)
-「熱が出て、けいれんしています」
(薮内さん)
「けいれんは何分ぐらい続いています?」
-(通報者)
-「5分ぐらいです」
(薮内さん)
「今も続いています?」
-(通報者)
-「はい」
(薮内さん)
「救急車を今、この時点で出動させました。体を冷やすことを何かしていますか?」
-(通報者)
-「していないです」
(薮内さん)
「大至急、水と氷をビニール袋に入れて、氷のうを作りましょう。タオルを1枚当てて、子どもさんの首筋と脇の下、足の付け根の辺りに2つぐらい置きましょう。電話を切らずに、今やりましょう」
-(通報者)
-「はい!はい!」
(薮内さん)
「けいれん、まだ続いていますか?」
-(通報者)
-「まだ続いています。あっ、今(けいれんが)終わりました」
(薮内さん)
「今、終わりました?もう救急車がマンションの下に着きましたから、そのまま体を冷やしながら待っていてください」

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