【速報】後白河法皇の直筆画との説も…大阪市立美術館が初めて指定された国宝公開 鎌倉時代の経典

24日午後、大阪市立美術館は、このたび新たに国宝に指定されることが決まった経典「物語下絵料紙 金光明経 巻第二」を報道陣にお披露目しました。大阪市立美術館の所蔵品としては初めての国宝指定です。
この経典は鎌倉時代の作で、後白河法皇が亡くなった1192年、法皇の供養のために制作されたものです。経典は全4巻で、そのうちの2巻は既に国宝に指定されていました。
21日、文化庁の文化審議会は、先に国宝指定されていた2巻と匹敵する作品として、この経典を新たに国宝にするよう文部科学相に答申しました。「物語絵巻・やまと絵研究の基礎資料として特に高く評価される」ということです。
経典には「金光明経」という国家の安寧を願う経文が書かれていて、紙には物語の下絵が描かれています。この下絵は、後白河法皇が制作に深く関わったとされる絵巻物のためのもので、建物の中にいる十二単姿の貴族の女性の姿などが見えますが、どのような物語だったのか実態は解明されていません。
研究者の中には「源氏物語の一場面を描いた」という説のほか「後白河法皇の直筆の画ではないか」との説を唱える人もいるということです。
大阪市立美術館の内藤栄館長は「8700件の所蔵品がありながら、大阪市立美術館にはこれまで国宝がなかった。当然国宝になって然るべきもので、たいへん嬉しい」と喜びを語りました。
新しい国宝は、あすから30日(日)まで「大阪市立美術館リニューアルオープン記念特別展」で展示されるほか、「日本国宝展」でも来月26日(土)から5月18日(日)まで展示されます。