東京五輪で2冠に輝いた体操の橋本大輝選手が、シーズン初戦となる全日本個人総合選手権男子予選(東京体育館)に出場しました。

東京五輪の個人総合で金メダルを獲得したことから、既に今年の世界選手権(10月29日～11月6日・イギリス)の代表に内定している橋本選手。

2種目めの平行棒でいきなり試練が訪れました。序盤の棒下宙返りひねりでバランスを崩し落下。その後の演技をまとめましたが13.266と得点を伸ばすことができません。

その演技後、市立船橋高校時代の体操部の監督・神田眞司さんに「あとはしっかりやってこい、お前の演技をやってこい、切り替えてやってこい」と声をかけられた橋本選手。

恩師から助言を受けた後、橋本選手は「しっかり長くとった、一番長い」と表現した1分間を、目をつぶり、気持ちを切り替えるために使ったといいます。

その後4種目めのゆかでは、東京五輪後封印していたG難度「リ・ジョンソン」を完璧に決め、全体トップの14.733をマークし勢いを取り戻した橋本選手。

最終種目のつり輪では、振り上がり中水平や、ほんてん十字倒立を力強く決めると、最後の着地をピタリと止め、得点は本人も満足の14.166をマーク。スコアが表示された瞬間、橋本選手は大きなガッツポーズを見せ、2位を0.099差でかわし、85.864で予選1位通過となりました。

橋本選手は「平行棒で練習ではしたことのないようなミスが出て、心が引っかかってしまったけど、本当に切り替えなきゃいけないと思って、自分と向き合って後半3種目できたことが良かった」と予選を振り返ると、「最初のゆかから思い切って、自分を見つめて良い試合にしたい」と決勝の意気込みを語りました。

男子決勝は24日に行われます。

◇リ・ジョンソン:後方抱え込み2回宙返り3回ひねり(G難度)