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“ドラフト1位QB対決”に“指揮官の史上最年少対決”見どころ満載のスーパーボウル

2022年2月11日 15:29
“ドラフト1位QB対決”に“指揮官の史上最年少対決”見どころ満載のスーパーボウル
ベンガルズ攻撃の中心を担うQBバロウ選手(右)とWRチェイス選手(左)。【写真:アフロ】
シンシナティ・ベンガルズとロサンゼルス・ラムズが激突する第56回スーパーボウル。日本時間14日にカリフォルニア州ロサンゼルスにあるSoFiスタジアムで熱戦の火ぶたが切られます。

第4シード同士の対決となった今年の頂上決戦。ポストシーズンがシード制となった1975年以降で、第1、第2シードが出場しないのは史上初のことで、第4シード以下同士の対戦も初めてのことです。これは、ベンガルズとラムズがともにポストシーズンで急激な成長曲線を描いた証(あか)しと言えます。

一番の注目は何と言っても、ドラフト全体1位指名QB対決。両チームのオフェンスをけん引するのは、ベンガルズがジョー・バロウ選手、ラムズがマシュー・スタッフォード選手。バロウ選手は2020年の、スタッフォード選手も2009年のドラフト1位。“イの一番指名”QB同士の対決は、第50回大会以来6年ぶり2度目です。守備ランキングはベンガルズがリーグ15位、ラムズも同17位でともに同10位以下なのはスーパーボウル史上3度目。それだけに、点取り合戦の様相も呈しています。

2年目のバロウ選手は、昨シーズン終盤に負った左ひざ前十字靭(じん)帯断裂の大けがから見事復活。パス成功率(70.4%)、パス平均獲得ヤード(8.9)でリーグ1位に輝き、NFLを代表するQBに成長しました。相手にラッシュされても早いタイミングでパスを成功させる冷静沈着な25歳の司令塔。パスのタイミングが一歩遅れると、アーロン・ドナルド選手やボン・ミラー選手といったオールスター級のラムズ守備陣の餌食となるだけに、クイックリリースが生命線となります。メインターゲットは、ルイジアナ州立大の後輩で今季新人王に輝いたジャマール・チェイス選手。快足と簡単には倒れないボディバランスを生かしたランアフターキャッチが魅力の新星です。

対するスタッフォード選手は、12年慣れ親しんだチームを離れ今季からラムズでプレー。新天地1年目でスーパーボウル制覇をすれば、第55回大会のトム・ブレイディ選手に続く史上3人目の快挙です。スタッフォード選手のゴートゥーガイは、捕球回数、獲得ヤード、捕球タッチダウンのレシーブ3部門で“三冠”を達成した5年目のクーパー・カップ選手。ラムズはスタッフォード選手がレーティング100以上なら11勝0敗。13年目のベテランは強肩を武器にカップ選手ら強力レシーバー陣へパスを投げまくれば、おのずと不敗神話が継続されるかもしれません。

天才指揮官のベンチワークも必見です。ベンガルズのザック・テイラーが38歳、ラムズのショーン・マクベイが36歳と両ヘッドコーチは、先日に44歳で引退を表明したスーパースターのブレイディ氏より年下。スーパーボウル当日は2人合わせて74歳299日で、スーパーボウル史上最年少対決となります。2人は、3年前にラムズがスーパーボウルへ進出した時に、テイラーがQBコーチ、マクベイが指揮官だった間柄。お互いに手の内を知り尽くしている仲ですが、大一番では両ヘッドコーチの手腕が問われます。

NFL公式サイトでは、28人のアナリストが勝敗を予想して、まったくの五分。アメリカのベッティングサイトでは、ラムズが4点リードのフェイバリットと予想されています。実力伯仲の第56回スーパーボウルは日本時間14日午前8時30分にキックオフ予定です。