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史上最高の司令塔ブレイディが44歳で正式に引退 199位から頂上に登りつめた22年のキャリアに幕

2022年2月2日 16:08
史上最高の司令塔ブレイディが44歳で正式に引退 199位から頂上に登りつめた22年のキャリアに幕
2020年シーズンの第55回スーパーボウルに勝利して喜びを爆発させるトム・ブレイディ(写真:ロイター/アフロ)
タンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QBトム・ブレイディが日本時間2日、自身のインスタグラムで正式に引退を発表しました。GOAT(GreatestOfAllTime=史上最高)の愛称で親しまれる司令塔が、22年のキャリアに幕を下ろしました。

2000年のドラフトではニューイングランド・ペイトリオッツから6巡(全体199位)指名と評価が低かったブレイディ

しかし、2001年に当時エースだったQBドリュー・ブレッドソーが故障で戦列を離れて先発の座を得ると、これまでの周囲の評価を覆す働きを見せてその年のシーズンはチームをフランチャイズ史上初のスーパーボウルチャンピオンに導き、スーパーボウルMVPも受賞。

そこから4年で3度のスーパーボウル制覇を果たして王朝を築きました。また、2007年シーズンにはレギュラーシーズン16戦無敗からスーパーボウルまで登りつめるも、惜しくもニューヨーク・ジャイアンツに敗北。しかし、レジェンドの輝きはいっそう増します。

ブレイディは2014年と2016年のシーズンにもスーパーボウル優勝を達成。特に後半に25点差の劣勢を跳ね返した第51回大会の白星は、ブレイディの伝説をより際立たせました。そして2020年シーズンにはバッカニアーズへ移籍。新天地での初年度にチームを18年ぶりにスーパーボウル勝利に導くと、連覇を狙った今季もパス獲得ヤード、タッチダウンパスでリーグ1位の成績を記録。44歳となってもまだまだ一線級で通用することを証明しました。

しかし、ロサンゼルス・ラムズとのディビジョナル・プレーオフでは、一時は24点差を追いつく粘りを見せましたが、惜しくも敗退。残念ながらこの試合が、ブレイディのラストゲームとなってしまいました。

そして激闘から2日後にユニフォームを脱ぐことを決意しました。

「私は、フットボールというスポーツは100%の競争心がなければ成功しない、そして成功こそがこのスポーツの醍醐味(だいごみ)であると常に考えています。毎日、肉体的、精神的、感情的な挑戦をすることで、私は自分のポテンシャルを最大限に引き出すことができました。そして、この22年間、私はベストを尽くしてきました。フィールドでも人生でも、成功への近道はありません。私はもう、そのような競争的なコミットメントをするつもりはありません。私はNFLでのキャリアを愛してきましたが、これからは私の時間とエネルギーを他のことに集中させる時期が来たのです」

フォロワー数1100万人以上を誇る自身のインスタグラムで引退を表明したブレイディは、チームメイト、ファン、タンパという街、そして愛する家族などへ書いても書ききれないほどのあふれ出てくる感謝の意を長文でつづっていました。

平均選手寿命が4年に満たない過酷なNFLの世界で、ペイトリオッツで20年、バッカニアーズで2年の計22年もトップレベルでプレーしたブレイディ。その間にスーパーボウル王者7度、スーパーボウルMVP5回、リーグMVP3回、プロボウル選出15回と数多の記録を達成してきました。昨年のスーパーボウルウイークのオープニングナイトでは45歳を過ぎても現役を考えているかを問われたレジェンドは、「もちろん考えている」と回答していました。ブレイディのトレーナーも46歳か47歳まではプレーできると言及していました。しかし、44歳にして進化を続ける史上最高の男は、絶頂の間に後進に道を譲ることを決意しました。
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