"厳戒"コロナ禍の五輪 開催国・中国の選手団ら「防護服」で選手村入り
各国の選手団が続々と北京入りしている北京五輪。今月1日、開幕を目前に控えた選手村でカメラがとらえたのは異様な光景。開催国・中国の徹底ぶりを示す、まさに「コロナ禍の五輪」を象徴する姿でした。
■バスで到着したのは・・・防護服の集団
スキージャンプやスノーボード、フリースタイルスキーなどが行われる張家口エリアの選手村。氷点下14度、ペットボトルの水も凍る寒さの中、日本のジャンプ陣の到着を待っていた取材陣の前に、1台のバスが到着しました。
バスから降りてきたのは、頭の先からつま先まで全身を白で覆われた一団。医療関係者が着用するような「防護服」を着ています。マスクはもちろん、フェースシールドにゴーグル、医療用の手袋も着けていました。
■赤いマスクにバックパック、その正体は・・・
防護服姿の人は、北京到着時の空港など様々な場所でみかけるため、北京五輪取材ではもはや見慣れた光景。とりあえず撮影を始めたものの、取材陣には「防護服姿だから選手団のはずはない」という雰囲気が広がっていました。ところが、注意深く見てみると、フェースシールドの下のマスクは赤色、お揃いの赤いバックパックを背負っています。
どこからともなく上がる「もしかして中国の選手団じゃないか?」の声。確かにバックパックには中国国旗と五輪マークがプリントされ、ダウンジャケットには"CHINA"の文字も見えます。
実はこの一団、「完全防備」で選手村入りした中国の選手や関係者だったのです。
取材陣は戸惑いながらも撮影を続けましたが、まもなく大一番にのぞむ選手達の表情は、マスクとフェースシールドに阻まれて一切うかがえませんでした。
選手団にも防護服を着用させるという徹底ぶりを見せた中国。厳しい感染対策がとられているコロナ禍の五輪を象徴するワンシーンとなりました。