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箱根駅伝7位の法政大 新エースの松永伶が学生ハーフ3位でユニバ内定を獲得「箱根では2区を走りたい」

2023年3月13日 19:08
箱根駅伝7位の法政大 新エースの松永伶が学生ハーフ3位でユニバ内定を獲得「箱根では2区を走りたい」
日本学生ハーフマラソンで3位に入った法政大学・松永伶選手
第26回日本学生ハーフマラソン選手権大会が12日に開催され、法政大学松永伶選手(3年)が1時間2分43秒で3位となり、7月から中国・成都で開催予定のFISUワールドユニバーシティゲームズ(ユニバ)男子ハーフマラソン日本代表に内定しました。

松永選手は「出たいなって思っていた大会だったので、こうやって日本代表になれてとてもうれしいです」と笑顔で語りました。

■離されても冷静に対処し表彰台へ

今大会には、去年、この大会で優勝した國學院大學の平林清澄選手(2年)や2月の丸亀ハーフマラソンで日本人学生最高記録を更新した駒澤大学の篠原倖太朗選手(2年)など、実力者がそろいました。

松永選手は集団の最前列からスタートし、積極的に先頭付近でレースを進めました。

15kmの給水で篠原選手が仕掛けると、松永選手は東京農業大学の並木寧音選手(3年)、中央学院大の吉田礼志選手(2年)らに後れをとり、7~8番手に後退します。

松永選手は「給水が外側にあったので少し離されてしまい、少し焦りはあったんですが、まだ距離もあったので20km付近まで焦らずにそのままのペースでいって、追いつけたら追いつきたいと思っていました」焦りはあったものの冷静にレースを進められたと振り返ります。

ラスト1kmを切ってから得意のスパートで加速。前を行く選手をとらえると3位でゴールし、表彰台とユニバの内定をつかみました。

■最終学年では「2区を走りたい」

松永選手は強豪ひしめく千葉県で、専大松戸高2年時に千葉県高校総体5000mで優勝。しかし、その後はオーバートレーニングによって体調を崩してしまい、法政大入学後も試合に出られない時期が続きました。

2年になってから徐々に調子を上げ、昨年5月の関東インカレ5000mでは、最終的に順位は6位でしたが、東京五輪3000m障害代表の三浦龍司選手(順天堂大3年)を相手に果敢なロングスパートを見せて会場を盛り上げました。

夏合宿で1000km以上の距離を走り込み、弱点だったスタミナ面を強化。それが11月に初ハーフマラソンとなった上尾シティハーフマラソンでの4位、そして箱根駅伝1区での3位と結果につながってきました。

箱根後に調子を落とし2月の丸亀ハーフマラソンは欠場したものの、今回は上尾、箱根の経験も踏まえてレースを作れたと振り返ります。

松永選手が憧れるのは、2年前の学生ハーフで優勝し、4年時に2区を走った鎌田航生選手、今年の箱根駅伝で2区を走った内田隼太選手(4年)です。

松永「鎌田さんや内田さんのようになりたいので、区を走りたいなと思っています。自分がどれだけ2区で勝負できるかというのを、今回の学生ハーフで知りたいというのもありました」

同じ千葉県出身の篠原選手、吉田選手には敗れましたが、今回の経験は松永選手にとって価値あるものとなったようです。

法政大学の坪田智夫監督は、松永選手の好結果について「まさかという感じ」と話しました。

「体調も上がりきっていませんでしたし、練習を見ていても箱根のときと比べて8割ぐらいかなと思っていました。段階的には上がっていたので、今年のエースですしある程度上の方では勝負してほしいと思っていましたが、しっかり力を出し切れましたね」と語ります。

「上位一桁ぐらいで帰ってくるだろう」と思っていたところ、嬉しい誤算だとも表現しました。

また、今回は法政大学からは武田和馬選手(2年)も6位に入賞しました。武田選手は箱根駅伝で2年連続6区を走り、1年時は区間2位、2年時は区間5位といずれも好成績を残しています。この大会の前もいい練習が積めていたといい、平地で結果を残したことに坪田監督も手応えを語りました。

今年の箱根駅伝では7位に入り、2年連続シード権を獲得した法政大学。新チームも例年に比べて故障者が少なく、いい流れで来ていると坪田監督は感じています。箱根駅伝を走った10人のうち6人が残るとはいえ、卒業する4人はいずれも主力級。

戦力ダウンの不安もよぎりましたが、ここで松永選手と武田選手が結果を残したことはチームにとっても大きな結果となりました。

今季の新スローガンは「脱兎の勢い」です。うさぎ年であること、大学の公式マスコットキャラクターである「えこぴょん」もこのスローガンの由来です。

来年の第100回箱根駅伝での「5位以内」という目標に向けて、法政大学が好スタートを切りました。