北京五輪 フィギュア男子ショート 得点分析で見えた注目選手の"得点源"
8日に行われた北京五輪・フィギュアスケートの男子ショートプログラム。獲得した得点を細かく見てみてると、それぞれの選手の"得点源"の特徴が見えてきました。
■注目選手の得点を分析
トップに立った現世界チャンピオンのネイサン・チェン選手、五輪初出場の鍵山優真選手(2位)、平昌五輪銀メダルの宇野昌磨選手(3位)、そして、羽生結弦選手(8位)の得点をジャンプ(基礎点、出来栄え点)、スピン、ステップ、演技構成点で分析しました。
1位のチェン選手は、ほぼすべてでトップの得点を獲得し、ショートプログラムの世界最高得点をたたき出しました。特に難易度の高い4回転ルッツからのコンビネーションジャンプを、基礎点が1.1倍になる後半に組み込むなど、基礎点だけで36点以上稼いだことがわかります。
2位の鍵山選手は、ジャンプの基礎点ではチェン選手に及ばなかったものの、ジャンプの出来栄え点ではチェン選手の10.63点を上回る10.82点を獲得。団体戦でのフリーに続き、ショートでも自己ベストを更新しました。
3位の宇野選手は、4回転トウループ・3回転トウループの連続ジャンプで手をついてしまったことが響き、ジャンプの出来栄え点は合わせて6.83点にとどまりましたが、それ以外はミスなく滑り、こちらも自己ベストを更新しました。
一方、8位の羽生選手。最初に予定していた4回転サルコウで、リンクに空いた溝にブレードがはまるアクシデントに見舞われ、1回転に。単独ジャンプは3回転以上を跳ばなければいけないルールがあるため、ノーカウント、0点になりました。しかし、その他のジャンプやスピン、ステップなどは高い評価を得ました。また、演技構成点は4回転サルコウの失敗が影響し伸びなかったものの、要素のつなぎは4人の中で最も高い得点を取っています。
■メダルの行方は?
10日に行われる男子フリー。
チェン選手と宇野選手は4回転を5本、鍵山選手は4本予定しています。そして、羽生選手は、試合ではまだ誰も成功したことがない前人未踏の超大技4回転アクセルへの挑戦を表明しています。
高難度の構成を予定している各選手、いかにミスの少ない演技が出来るかがメダルの行方を左右します。