由伸×三浦監督“開幕戦初球HR”の舞台裏
26日に開幕するプロ野球。それに先駆け高橋由伸さん(news zero野球解説者)が、DeNA・三浦大輔新監督を開幕直前にインタビュー。開幕戦に向けての心境、そして高橋由伸さんが三浦大輔新監督から放った伝説の2007年開幕戦、セ・リーグ史上初、先頭打者初球HR(ホームラン)の舞台裏を明かしました。
※以下、高橋由伸さん=高橋、三浦大輔新監督=三浦とします(敬称略)
高橋
「今週いよいよ開幕。今の心境は?」
三浦
「なんか不思議な感覚で、現役の頃に開幕を迎えるのと監督として開幕を迎えるのは、どうなんだろうなという。自分の調整はないしもちろんピッチャーだけではなく野手も全体を見て、準備してもしきれないという感じ」
高橋
「絶対というものがないですよね」
三浦
「これだけやっておけば大丈夫というものもないし、選手のコンディションはやっぱり一番すごい気になる。一日があっという間に過ぎていくような感じ」
三浦
「この組み合わせ(巨人対DeNA)あの開幕戦は忘れられないですよ。そうでしょ」
高橋
「はい。(笑)」
※2007年の開幕戦でDeNAの開幕投手だった三浦大輔さんから、プロ入り後初めて開幕の先頭打者を任された高橋由伸さんがセ・リーグ史上初、開幕戦先頭打者初球ホームランを放った。
高橋
「あの時、僕は三浦さんが投じる初球に対してすごいいろいろ考えていたんですけど、やっぱり1球目は考えるものですか?」
三浦
「考えます。由伸は絶対初球振ってくるという話で何からいこうかと。いろいろ考えて、いろいろ想像しながらパターンを考えて。よし!スライダーでいこうと。一番自信のあるスライダー、しかもボールからいこうと」
高橋
「そうなんですか!?」
三浦
「外のボールからストライクを取りにいく。振ってくるけどもあえてボールからのストライクですよ、もちろん狙いにいったところで、開幕戦は力が入っていたんでしょうね。ものの見事に」
高橋
「僕も三浦さんなら初球何投げるかなと1週間ぐらい悩んで、初球は絶対振ろうと決めていた。ただボールは振りたくなかった、チームのために。行き着いた先が外からのスライダーだろうと思ったんですよね」
三浦
「完全に読まれている(笑)また中に入ってきてしまったところを」
高橋
「真ん中ぐらいにきたので」
三浦
「完璧に捉えられて。衝撃もだし、ああって思いながら、今のなしにしてくれって思いながら」
高橋
「すいませんでした」
三浦
「いやいや、あれも開幕のいい思い出です」
高橋
「開幕に向けて、ベイスターズにとっては外国人選手の関係でその辺が少しどうかなという感じがあるのですが」
※新型コロナウイルスの影響で、外国人選手のビザの申請が凍結し、入国のめどが立たず、開幕戦出場が間に合わない見通し
三浦
「そうですね、外国人はもちろん開幕には間に合わない。こればっかりはコントロールできないことでしようがない。その分オープン戦でも若い選手にチャンスが回ってきたし、チャンスだと捉えて、みんな必死にやってくれているんで、なんとかやってやろうという気持ちが強いと思うし、自分自身もそういう気持ちです」
高橋
「そんな中、キャンプ・オープン戦と見させてもらって、ドラフト2位ルーキーの牧秀悟内野手(22)がいいんじゃないかなと思っているんですが?」
三浦
「いいですよ。最初はバッティングだけというイメージだったんですが、打席でもボール球を振らない、制球眼もいい、粘りもあるし、出塁率が高い。キャラもいい、ほかの選手にいじられながら、すぐにチームに溶け込みましたね」
高橋
「投手陣は?」
三浦
「後ろのほうは、リリーフ陣はしっかりと安定してきているので、先発陣というところで若い選手も入ってきて、開幕ローテーションには入らなかったんですけども、やっぱり阪口皓亮投手(21)を含めた7人でどう回していこうっていうのはイメージしています」
※浜口遥大投手(26)、京山将弥投手(22)、平良拳太郎投手(25)、大貫晋一投手(27)、上茶谷大河投手(24)、ドラフト1位・入江大生投手(22)の6人が開幕ローテーションの予定
高橋
「僕はやっぱりベイスターズは山崎康晃投手(28)の復活が鍵なんじゃないかなと思う」
三浦
「そうですね、康晃も本当に去年苦しんだ中で、自分の考えでファームスタートにして、『自分を見つめ直して這い上がってこい』という話でキャンプも順調に過ごしてきた。練習試合、オープン戦、教育リーグでもしっかり結果を残してきた。ファームからの推薦もあり、もう大丈夫だということで。最初はリリーフでやってもらいます」
高橋
「そこに付随して今年は9回で打ち切りになったんですけど、どういう風に考えてます?」
三浦
「前倒しができる。延長のことを考えず。早め早めの継投。元々そのイメージはしてましたけど、延長がなくなったことでより一層早めに変えられる。もちろん先発がよければ引っ張りますけど、そういう継投ができる」
高橋
「外国人がなかなか合流できないということでは、就任当初から意外と小技であったり、機動力というところは?」
三浦
「去年の攻撃陣にプラスアルファで足を絡めないと得点力ももっと上げられない。というところで取り組んできた。そこで外国人が来られないというところでより一層やっておいてよかったなと。まずはその結果として盗塁数とかオープン戦で出なかったですけど、意識は変えられたかなと。そんなに大量点が期待できないのでここというところで確実に1点を取って守り切るという戦いになってくる」
高橋
「最後に今季の意気込みをお願いします」
三浦
「監督1年目ということで思い切ってどんどん攻めていきたい。チームスローガンに込めた『横浜一心』というのはグラウンドで戦っている選手だけではなく、ベンチにいる選手、チームスタッフ、ファームにいる選手、ファンの方もみんなが一つになって総合力で戦わないと勝てないと思っている。それを1年間貫いていきたい」