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高橋侑希の初五輪支えたハンカチと妻の言葉

2021年6月29日 23:57
高橋侑希の初五輪支えたハンカチと妻の言葉

12日、東京五輪代表決定プレーオフを制し、レスリングの男子フリースタイル57キロ級の代表に決定した高橋侑希選手。大一番に向かう高橋選手を支えたのは家族の応援が寄せ書きされたハンカチでした。

高橋選手は2017年の世界選手権で日本勢として36年ぶりに優勝し、全日本選手権では2018年に3連覇を果たすなど輝かしい成績を残してきました。

プライベートでは2018年に元レスリング選手でもある早耶架さんと結婚をしました。

高橋選手は、「自分は女の人と関わるのが苦手なタイプなんですけど、早耶架と初めてしゃべったとき緊張しなかったんですよね」と振り返り、一方の早耶架さんは、「大学三年生の夏にお付き合いをさせていただきました。本当に仲がよかったので恋愛というよりきょうだいみたいな感じで。話をしていて落ち着くし何でも話すことができるし、一緒に頑張れそうと思って付き合いました」と、お互いの馴れ初めを語っています。

早耶架さんは結婚を機に、東京五輪を目指す高橋選手をそばで支える決心をしました。

しかし東京五輪出場をかけた2019年の全日本選手権、高橋選手は57キロ級のライバルでリオ五輪銀メダリストの樋口黎選手と決勝で対戦するも6対7で敗れ、自力での東京五輪出場の可能性はなくなりました。

当時のことを早耶架さんは、「泣きそうになりながら見ていたんですけど、侑希自体は先を見ていて。負けてもまだあるから準備はしておくってずっと言ってトレーニングもしていた」と振り返ります。

わずかな可能性を信じてトレーニングに励む高橋選手に再びチャンスが舞い降ります。4月に行われた五輪アジア予選で樋口選手が計量オーバーによる失格となり、5月の五輪世界最終予選へ高橋選手が派遣されることに。

高橋選手は見事優勝し、日本の出場枠を獲得します。そして日本レスリング協会の規定により、東京五輪代表を決めるためのプレーオフが行われることとなりました。

決戦を前に早耶架さんが贈ったのは家族からのメッセージが書かれたハンカチ。レスリングでは試合中、出血時にすぐ止血できるよう、白いハンカチを携帯して試合に臨むことがルールとなっており、このハンカチに早耶架さんは、「自分を信じていつも通り 今日はきっといい日になる」とメッセージを書きました。

妻・早耶架さんは、「やっぱり一緒に戦ってほしいというのが一番でハンカチにしました。今回は一緒に戦っているよ、大丈夫だよっていう気持ちで身につけられるものを贈りました」とハンカチに思いを込めた意図を明かしました。

家族からのハンカチを懐に忍ばせて大一番に臨んだ高橋選手は4対2で見事勝利し、五輪初出場を勝ち取りました。

大一番を終え、早耶架さんは、「侑希は自分自身のためと言うより周りの人の応援を力にできると思うので、少しでも伝わっていてそれが背中を押せたならよかったなって思いました」と初のオリンピック出場権獲得を喜びました。

妻・早耶架さんの支えで初のオリンピック出場を果たした高橋選手は、「苦しいと思うときもたくさんあった。それを支えてくれたのは、いつも一緒に生活している妻。感謝の気持ちがすごくある。このいい流れで五輪に挑めるのは強みだと思うので、金メダルを獲得したい」と、夫婦二人三脚でつかんだオリンピックへ、決意を語りました。

提供:日本レスリング協会