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【密着】会社員なのに日本代表 ラグビー根塚洸雅プロ転向の理由 W杯へ「濃い時間を過ごさないと厳しい」

2023年5月19日 6:02
【密着】会社員なのに日本代表 ラグビー根塚洸雅プロ転向の理由 W杯へ「濃い時間を過ごさないと厳しい」
根塚洸雅選手(写真:アフロ)
ラグビーの強豪、クボタスピアーズ船橋・東京ベイに所属する根塚洸雅選手。これまで会社員として仕事と両立しながらラグビーに取り組んできましたが、4月からプロの道に。その裏側に日本テレビが密着しました。

根塚選手は2022年にリーグデビューすると、持ち前のスピードを生かしトライを量産。

ベストラインブレイカー(ディフェンスラインを突破すること)、ベストフィフティーン、新人賞に輝くなど鮮烈なデビューを果たしました。

6月には初めて日本代表として試合に出場すると、デビュー戦でトライを記録。W杯に向け注目されています。

■「仕事をやっていてよかった」日本代表なのに仕事とラグビーを両立

破竹の活躍を見せる根塚選手ですが、普段はグラウンドを離れ、千葉県にあるクボタの工場に勤務。

制服に着替えた根塚選手が向かったのは、自らのデスクです。

根塚「最初はメールを見ます。ラグビーで来られない時間が多く、結構メールたまっていたりするので。(部署は)勤労課という工場の環境を整えたり、皆さんが仕事しやすいようにしています」

工場内の備品整理や、会議準備など多岐にわたる業務内容。その仕事ぶりに根塚選手の仕事仲間は「報告を凄くマメにしてくれる」、「従業員誰とも壁を作らないですし、『これでいいですか?』とワンクッション相談してくれるので、ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)上手なところは私も見習っていきたいなって思うぐらい」と口々に根塚選手を褒めそやします。

それを聞いていた根塚選手は「悪いところも言ってください」とおちゃめに切り出すと、先輩は「悪いとこ言っていいん?勤務表提出し忘れたとか笑。勤務表を提出し忘れたまま(試合で)フランスに行っちゃった笑」と、明るい性格で周囲を和やかにしている様子が伝わってきます。

2シーズン目を迎えたラグビーリーグワン。プロとしてプレーする選手も多い中、根塚選手は社員契約を選択。仕事をしながらプロ選手と同じ練習をこなします。

険しい道とも思える両立を選んだことについて、根塚選手は「大学までラグビーしかしてこなかった人生で、ラグビー以外の知識はほとんどなかった。これから社会に出るとなって、常識とか当たり前を知れていた方がいいのかな」とその理由を話し、「コミュニケーションの取り方だったり、同じミスを繰り返さないというのは仕事でもラグビーでも一緒なので、本当に仕事をやっていてよかった」と得たものもあったと語ります。

■W杯代表へ“プロ転向”の決断

そんな中、2023年4月からプロに転向する大きな決断をしました。2年間続けてきた仕事をやめる決断のウラには“ある大会”の存在がありました。

根塚「これからW杯もありますし、プロになってより一層ラグビーで濃い時間を過ごさないと厳しいと感じたのがきっかけですかね」


史上初のベスト8入りを果たし、日本列島を興奮の渦に巻き込んだ2019年のラグビーW杯。フランス大会を目前に控え、たった33人の代表枠に入るため、ラグビーに専念することを決めました。

■「感謝しかない」最終出勤に仲間からは温かいエール

そして迎えた3月。最終出勤に「今日でラストって考えると、ここに来るのもほぼ無くなるのでさみしい気持ちはあります」と思いを話します。

この日はお世話になった人への挨拶回り。

「さみしくなるよ」、「プロで頑張ってW杯を目指すということなので、しっかり送り出したい」、「気持ちは正直寂しい、応援は市川工場みんなでしたい」と次々に温かいエールがおくられた根塚選手。

根塚「職場の人が『頑張ってね』とかそういう声で、頑張らないととなって自分のエナジーにもなりましたし、最初に比べるとめちゃくちゃ成長できたかなと思うので、勤労課の皆さんには感謝しかないですね」

■クボタ初優勝へ

そして4月、プロになって初めての試合。トライを奪い勝利に貢献しました。

プレーオフに進出したチームは、準決勝で東京サントリーサンゴリアスと対戦。24-18で激闘を制し、チーム創設以来初の決勝進出を果たしました。

根塚選手は「プロになって仕事と両立していたところをラグビーの一本に絞ったので、その分今まで以上にラグビーを頑張らないといけない。リーグワンは優勝しか見ていないです」と意気込んでいます。

リーグワンプレーオフトーナメント決勝は、5月20日(土)午後2時35分より、国立競技場で行われます。

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