10年ぶり箱根駅伝出場をめざす東農大の並木寧音が学生ハーフ「悔しい」4位 100回大会での古豪復活へ「自分が勢いをつけたい」
■「3位以内に入りたかった」
「3位以内を狙っていたので、とても悔しいです」と語った並木選手。
レースでは、前回優勝の國學院大學の平林清澄選手(2年)と、2月にハーフマラソン日本人学生最高記録を出した駒澤大学の篠原倖太朗選手(2年)を徹底マーク。中盤までけん制しあう展開になり、法政大学の松永伶選手(3年)らと先頭を引っ張りました。
「先頭集団は、平林選手や篠原選手の2人をチラチラとみんな気にしていました」と、周りを見渡しながら、冷静にレースを進めた並木選手。
13キロ過ぎに市街地から起伏のある昭和記念公園内に入り、そのどこかで仕掛けようと考えていました。しかし15キロ過ぎ、先に駒澤・篠原選手が飛び出しました。その仕掛けにいち早く反応したのが並木選手。しかし「力の差をだいぶ感じた」と、徐々に苦しくなり、その後、2位に入った中央学院大学の吉田礼志選手(2年)に振り切られ、さらには残り1キロ過ぎで3位に入った法大・松永選手の猛烈なスパートに屈し、わずか5秒差で表彰台を逃しました。
■2区権太坂は“地元”「母校のたすきで箱根を走りたい」
東農大で副将を務める並木選手。主将の高槻芳照選手(3年)とのダブルエースでチームをけん引しています。
「きょうの自分の走りで、チームに勢いをつけられたら」という思いでした。出身は横浜市立六ツ川中学校。2区権太坂の頂上から徒歩10分ほどに位置しているという、箱根駅伝の沿道で育ちました。
ちなみに東京国際大学で活躍した丹所健選手(4年)が通った平戸中学は、コースの国道1号を挟んだ向かい側にあります。
「中学生の時から、権太坂は練習で何度も走っていました」とコースは熟知。第98回大会の関東学生連合チームですでに2区を経験していますが、「もし次回、学校として出場することができたなら、前回以上の結果を残したい」と意気込みを語りました。
■インターハイ日本選手トップも入学予定 「今年は勝負の年」
「今年は勝負の年です」と語るのは、村上和春コーチ。駒澤大学のOBで、2004年の第80回大会から3年連続で5区山登りを担当。うち2度の総合優勝の原動力となった選手でした。
昨年10月の予選会以降、この日のレースに照準を合わせてきたといい、「経験の少ない下級生の選手たちが、予選会のイメージをつかんでくれたら」との思いで選手を送り出しました。
主力の並木選手と高槻選手が最上級生となる今年。「2人でチームを立て直してきて、やっと戦力が整ってきた感触がある」と話します。
4月には昨年のインターハイ5000m日本選手トップの前田和摩選手(兵庫・報徳学園高)ら、有力選手の入学も予定されており、「上級生とうまく融合してくれたら」と話します。
しかし、「新入生は力を持った子たちですが、まだハーフマラソンは走っていませんし、上級生がしっかりとしていなければチームとしては成り立ちません。じっくりと育てていきたいと思っています」と話しました。
■100回大会に「大根踊り」を
箱根駅伝には第2回大会から出場している古豪・東京農業大学。10年ぶり70回目の出場を、第100回大会で果たせるか。応援団の名物「大根踊り」を、記念大会の1月2日朝、テレビの前で見たいファンも多いはず。今シーズンの東京農業大学に期待が高まります。