決勝は12位も寺内健「五輪で戦えて幸せ」
飛び込みの寺内健選手(40)が3日、板飛び込みの決勝に出場。12位と入賞には届かずも、会場からは拍手でたたえられるなど笑顔で6度目の五輪を終え、試合後には「五輪の舞台で戦えたことは自分にとって幸せ」と大会を振り返りました。
◇東京五輪・大会12日目・男子板飛び込み決勝(8月3日、東京アクアティクスセンター)
寺内健選手(40)が、同種目で2008年の北京大会以来となる決勝に出場。12位と入賞には届きませんでしたが、笑顔で大会を終えました。
同日午前に行われた準決勝では、自身の持ち味である“美しい演技”で高得点を並べましたが、決勝では着水ミスもあり得点を伸ばせませんでした。それでも、最終6回目で74.40点をマーク。会場にいた各国の選手や関係者からスタンディングオベーションでたたえられました。
試合後に「メダリストたちが称賛される中で自分はそういう演技が出来なかったけど、各国の選手やコーチたちが『おめでとう』と言ってくださった。すごく感動したし、あの場は自分にとって、一生これから感じられないかもしれないような、すごくステキな空間にいさせてもらえた」と笑顔でスタンディングオベーションを振り返った寺内選手。40歳で挑んだ世界最高峰のステージについては「決勝の舞台で戦えることの“幸せな気持ち”は常に持った上で、6本飛ばせてもらった。ただ、コントロールしきれなかったところが多くて、正直言うと何もさせてもらえなかった」と心境を語りました。
1996年のアトランタ大会から始まり、ロンドン大会を除いて6度目の出場となった五輪の舞台。「周りのサポートのおかげでここまでこられたし、その中で五輪の舞台で、力こそ出させてもらえなかったけど、戦えたことはすごく自分にとっては幸せなことだと思う」とし、「五輪自体が延期になった経験は自分の過去にもなかった。それはもう致し方ない状況で、世界がこういう状況なのだからという思いの中、トレーニングがなかなか積めなかったこともあった。でも、今年になって練習が少しずつできるようになって、『40歳の底力を見せてやるぞ』という思いで日々練習に取り組んできた。その成果は予選、準決勝と見せられたのかなと。ただ、肝心の決勝で見せられなかったらアカンなぁと思った」と話しました。
8月7日には41歳の誕生日を迎える寺内選手。「『41歳だから』という区切りで自分のトレーニングを続けるかは決めずに、まず気持ちの中で戦えるかどうかが一番重要だと思う。あとは後輩で(14歳の)玉井陸斗、(20歳の)荒井祭里と4日以降は競技が続くので、その子たちのフォローが少しでもできたらというのが今の一番の仕事」と、今後についての詳細は話さず、20歳以上年の離れた後輩たちを気遣う姿を見せました。
写真:ロイター/アフロ