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ロンドン五輪「雑草が無敵艦隊撃破」の裏側 大津祐樹がパリ五輪世代に託したメダル獲得への思い  <パリの主役は君たちだ!>

2024年3月21日 9:30
ロンドン五輪「雑草が無敵艦隊撃破」の裏側 大津祐樹がパリ五輪世代に託したメダル獲得への思い  <パリの主役は君たちだ!>
ロンドン五輪のスペイン戦でゴールを決めた大津祐樹さん(写真:アフロ)
4、5月にパリ五輪アジア最終予選を控え、サッカーU-23日本代表は22日に京都でマリとの強化試合に臨みます。

2012年ロンドン五輪で、スペイン戦で決勝ゴールをあげるなど3得点をあげ、ベスト4進出の立役者となった元日本代表FW大津祐樹さんに、当時「無敵艦隊」と呼ばれていた格上スペイン撃破の裏側や、自分たちが届かなかったメダル獲得を目指すパリ五輪世代の選手たちへの思いを伺いました。

■「とにかく謙虚に」すべてにおいて相手を上回る共通意識を持って戦えた「グラスゴーの奇跡」

ロンドン五輪初戦の相手がスペインに決まり、「スペインなんてサッカーゲームの中の世界の相手だと思っていた」という大津さん。

当時のスペインは黄金期を迎え、GKデ・ヘア、DFジョルディ・アルバ、FWフアン・マタらが揃い、優勝候補と言われていました。予選リーグ初戦、そのスペインを相手に、大津さんがコーナーキックから先制点を奪い1対0で勝利。

各国のメディアで「無敵艦隊を沈めた」「グラスゴーの奇跡」と表現されるなど、世界で賞賛されました。

大津「スペインはマタなど、スーパーな選手が揃っていて、スペインより実力的に低いことは理解していました。僕たちはとにかく謙虚に、相手より走る、相手より戦う、相手より球際で上回る、すべてにおいて相手を上回らなければならないというモチベーションがありました。勝利できたのは、1人1人がその目標に向かって共通意識を持って戦えていたからだと思います。得点をあげたコーナーキックの場面は、個人的に相手のマークをうまく剥がすことができました。率直にめちゃくちゃ嬉しかったです」

■「雑草」がベスト4進出を実現させた団結力「ムードメーカーは僕だったと思います」

大会前の評判は決して高くなかったロンドン五輪日本代表。初戦でスペインを破ると、予選リーグを2勝1分の1位で突破。準々決勝ではエジプトに3対0で勝利し、1968年メキシコ五輪以来のベスト4進出を果たしました。大津さんはチームの団結力が躍進につながったと振り返ります。

大津「谷間の世代と言われていて、雑草として見返してやろうという気持ちで戦っていました。仲が良くチームとしてまとまって戦えました。ムードメーカーは、僕だったと思います(笑)清武弘嗣、鈴木大輔ら元気な選手が多く、オーバーエージの吉田麻也さんがまとめてくれました」

■自分たちが成し遂げられなかったメダル獲得へ大津さんが期待を寄せるパリ五輪世代のストライカー「すべてにおいて能力が高い」

44年ぶりのメダル獲得を目指した日本ですが、準決勝でメキシコ、3位決定戦で韓国に敗れ、あと一歩のところで届きませんでした。

自分たちが成し遂げられなかったメダル獲得へ、大津さんが期待を寄せるパリ五輪世代の「後輩」を明かしてくれました。

大津「僕たちもメダルが欲しかったです。僕たちが届かなかったメダルをパリ五輪で絶対に取ってきてほしいです。期待しているのはFWの福田師王選手。まだ10代で若いですが、得点能力、ストライカーとしての動き、すべてにおいて能力が高い印象があります。僕がプレーしていたボルシアMG(ドイツ)の後輩なので個人的に応援しています」