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浦和“持ってる男”槙野 劇的ヘッドで優勝

2021年12月19日 20:56
浦和“持ってる男”槙野 劇的ヘッドで優勝

◇天皇杯第101回全日本サッカー選手権大会決勝(19日、国立競技場)

天皇杯決勝・浦和レッズ対大分トリニータ。浦和は今季限りで引退する阿部勇樹選手はメンバー外、今季で退団する槙野智章選手と宇賀神友弥選手はベンチスタートとなりました。

約5万8千人の観客が詰めかけた国立競技場で口火を切ったのは浦和。前半6分、右サイド敵陣深くでボールを拾った関根貴大選手の折り返しに江坂任選手が反応し先制。最高の立ち上がりをみせます。

浦和ペースで進んだ前半でしたが、後半は打って変わって大分ペース。大分のサイド攻撃に苦しみます。押し込まれる時間帯が続いた浦和は後半27分に宇賀神選手、後半38分には槙野選手と今季退団の2人を投入し、逃げ切りを計ります。

このまま浦和の勝利かと思われた後半45分。大分の下田北斗選手が右サイドからふわりとしたクロスをあげると、中央のペレイラ選手がヘディングでたたき込みゴール。準決勝でも川崎相手に延長後半で追いついた大分が底力を見せ同点とします。

しかしドラマが待っていました。後半アディショナルタイム。コーナーキックのこぼれ球を柴戸海選手がボレーシュートを放つと、ゴール前にいた槙野選手がヘディングで反応。コースが変わったボールはゴールに吸い込まれます。この瞬間、浦和の選手、サポーターが喜びを爆発させます。

槙野選手の最高の置き土産となる劇的ゴールで浦和が優勝。史上最多の通算8度目の天皇杯制覇。そして来季のアジアチャンピオンズリーグ出場権を獲得しました。

試合後槙野選手は。
「運を引き寄せる力はもしかしたら人よりあるのかなとは思う。ただ自分がやってきたのは毎日のトレーニングを100%でやること、チームの雰囲気を作ること、子供の頃から変わっていないゴールを獲りたいと思うことで、それをひたすら続けてきた成果がこのゴールだと思う」と“持ってる男”はひたむきに過ごしてきた浦和での10年間を振り返りました。


写真:長田洋平/アフロスポーツ