北京五輪 フィギュア男子フリー得点分析 高難度の争い
10日に行われた北京五輪・フィギュアスケートの男子フリー。注目選手が獲得した得点を選手毎に細かく見てみると、各選手の演技の特徴、そして何が勝敗を分けたのかが見えてきました。
■注目選手フリーの得点を分析
フリーで1位のアメリカのネイサン・チェン選手、2位の鍵山優真選手、3位の羽生結弦選手、そして5位の宇野昌磨選手の、フリーの得点をジャンプ(基礎点、出来栄え点)、スピン、ステップ、演技構成点で分析しました。
チェン選手の得点で際立っているのはジャンプの基礎点の高さです。5本の4回転ジャンプを決めてミスを最小限に抑え、高い出来栄え点を獲得したほか、演技構成点でも全ての項目でトップの評価に。ショートに続きフリーでも1位という結果になりました。
銀メダルの鍵山選手は、4回転ループなどのミスで出来栄え点が低くなってしまいましたが、演技構成点は高い評価を受け、団体のフリーで記録した自己ベストには及ばなかったものの、合計200点を超える高得点を獲得。こちらもショートに続きフリーでも2位でした。
フリー3位となったのは羽生選手。前人未踏の大技、4回転アクセル(4回転半ジャンプ)に挑み、回転不足があったものの、国際スケート連盟の公認大会で初めて認定されました。2度の転倒の影響で、出来映え点と演技構成点を伸ばすことは出来ませんでしたが、基礎点ではチェン選手に次ぐ73.9点を獲得。ステップでも4選手中トップの評価を得ました。
フリー5位は、銅メダルを獲得した宇野選手。スピンでは4選手中、最も高い13.56点を獲得しました。しかし、トライした4種類5本の4回転ジャンプのうち、サルコウとフリップでミスが出て得点を伸ばすことができませんでした。